韓国は貿易1本で食べている国で、貿易黒字が十分でないと国が傾きます。それを数字で確認してみましょう。
貿易黒字というのは、「輸出 – 輸入」で求める貿易収支がプラスになることです。逆にマイナスになれば貿易赤字です。
韓国の経常収支がどのような構造で黒字になっているのかを見れば、なぜ貿易収支の影響が大きいのかすぐに分かります。
例えば、直近の2021年の経常収支は以下のような構造になっています。
↑ウォーターフォールグラフです。貿易収支「762.1億ドル」にサービス収支「-31.1億ドル」が足されて、第1次所得収支「193.3億ドル」を足して、さらに第2次所得収支の「-41.2億ドル」が足されて……経常収支「883.0億ドル」になります。
経常収支は、
・貿易収支
・サービス収支
・第1次所得収支
・第2次所得収支
・サービス収支
・第1次所得収支
・第2次所得収支
の4つの合計ですが、韓国の場合は上掲のとおり、貿易収支が経常収支の「86.3%」を締めています※。
つまり、貿易のもうけを示す貿易収支の黒字幅が減少すると、すぐに経常収支が減少し、もし赤字になろうものならすぐに経常収支が赤転する可能性が高くなるのです。
ですので、韓国経済は貿易収支の黒字が減少してきたか、また赤転したかが一つの判断基準になります。
日本のように「第1次所得収支の黒字が莫大で、貿易収支が赤字でも経常収支は黒転するもんね」という構造にたどりつく前に、韓国の夏は終わったのだ――と言えるのではないでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)