念のために冒頭に書きますが、筆者の意見ではありません。
韓国メディア『朝鮮日報』の記事から以下に一部を引用します。
安哲秀(アン・チョルス)「大統領職引き継ぎ委員会」委員長が11日、鍾路区三清洞の買収委事務所で第5回全体会議を開き、「事実上私たちは廃墟から始めなければならない状況」とし、文在寅政府を猛批判した。
(中略)
安委員長は「(朴槿恵政府と比較して文在寅政府で)所得増加率は4分の1に過ぎないが、国家債務は2倍以上増えた」とし「このように経済活力は落ちて借金は増えたが公務員は13万人増えた。
経済はめちゃくちゃで、国は借金の山を築き、国民の腰が曲がる状況だ。これが新政府が現政府から受け継いだ成績表だということを国民に申し上げなければならない」と述べた。
安哲秀(アン・チョルス)さんは、中道政党『国民の党』から大統領選挙に出馬した人です。
『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)さん、『国民の力』の尹錫悦(ユン・ソギョル)さんには及びませんでしたが、支持率は3位につけていました。
最後の最後に尹錫悦(ユン・ソギョル)さんへの候補一本化に合意。
この一本化によって尹錫悦(ユン・ソギョル)さんが勝利できたのですから、安哲秀(アン・チョルス)さんは尹新大統領誕生に最も貢献した人物といっても過言ではありません。
その功績もあってか、安哲秀(アン・チョルス)さんは「大統領職引き継ぎ委員会」の委員長となっています。
もともと文政権には批判的な人ですが、それにしても今回の発言は非常に大胆なものといえます。「文政権によって経済はめちゃくちゃにされた」と明言しました。
「新政権は廃虚から始めなければならない」という言い様からすれば、「文政権は韓国経済を廃虚にした」と述べたわけです。
廃虚から始めないといけないので……
ただし、これは「国民に対して予防線を張った」「あらかじめ言い訳をした」と見ることもできます。
というのは――読者の皆さまもご存じのとおり、韓国の国会は現与党『共に民主党』が押さえています。
定数300に対して『共に民主党』は172と圧倒的な議席数です。そのため、尹新政権(『国民の力』は議席数110)は自分たちの思うとおりに法律を通すことができません。
これでは尹新政権にできることも限られてしまいます。
ですから、「尹新政権が短期間で国民が望むような結果を出せなくても許してくださいね」という意味で「廃虚から始めなければならない」と言ったとも考えられるのです。
つまり「廃虚から始めるので時間はかかります。でも仕方ないと思ってくださいね」というわけです。
「廃虚にした」と批判された文政権から反撃が来そうですが……。
(吉田ハンチング@dcp)