韓国『大宇造船海洋』に吹き付ける逆風が強くなっています。
2022年01月13日、EUが結合審査で『現代重工業』と『大宇造船海洋』との合併を否決。
01月14日、『現代重工業』グループは『大宇造船海洋』との合併を自主的に撤回すると表明。
赤字の『大宇造船海洋』をどうするんだという事態ですが、『大宇造船海洋』は2022年01月20日に裁判で負けて約110億ウォン(約10億4,500万円)を支払わなければならなくなりました。
粉飾決算のツケを支払いましょう
そもそも韓国を代表する造船企業『大宇造船海洋』が現在のように落ちぶれてしまったのは、2015年に破綻が顕在化したからです。2012~2014年に粉飾決算を行っており、これが一挙にばれて2015年の決算は赤字に転落。
このようなインチキがあったので、当然のことながら投資家からの訴訟に発展しました。「いい加減な財務諸表を公表しており、それを参考に投資して損害を受けた」という主張です。
投資家の中には、『国民年基金』『郵政事業本部』という政府系の大口機関も含まれていました。株式投資による被害では先に判決が出ています。
『大宇造船海洋』は、
郵政事業本部:15億ウォン
et
小計:450億ウォン
を賠償しなければならない、となりました。
ことはこれで終わらず、『大宇造船海洋』が発行した債券についても損害を受けたとして訴訟が起こされており、ソウル中央地裁で20日に判決が出たというわけです。
本件を報じた『韓国経済』の記事を一部を以下に引用します。
(前略)
20日、法曹界によると、ソウル中央地裁民事合意の30部(部長判事ハン・ソンス)は、「大宇造船海洋、コ・ジェホ前代表、キム・ガクジュン元最高財務責任者は郵政事業本部に約110億ウォンを支給し、このうち47億ウォンは安進会計法人(現Deloitte Korea)が負担せよ」と判決した。これは政府が請求した金額(約157億ウォン)の70%水準だ。
『大宇造船海洋』は郵政事業本部に110億ウォン支払えという判決となりました。110億ウォンのうち47億ウォンは会計法人が支払うように、となっていますが、粉飾決算に荷担したから――でしょう。
政府系機関の投資は巨額になりますが、同記事によれば、郵政事業本部は3,000億台半ば、国民年金基金は3,887億ウォンもの社債を購入していたとのこと。
判決はこれで終わりではありません。国策銀行『輸出入銀行』が起こした、同様の社債関連損害賠償訴訟の第一審の判決が来る27日に結審します。
粉飾決算をした結果で、いわば身から出た錆。まったく同情はできませんが、『大宇造船海洋』はますます厳しい立場になっています。
(吉田ハンチング@dcp)