2020年03月20日、韓国メディア『毎日経済新聞』に「イ・ジュヨル『市場の需要見ながら迅速にドル供給を』」という記事が出ました。
この中で、韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁の「日本をはじめとする主要国間の通貨スワップも外国為替市場安全弁の役割に重要だ」という発言を取り上げています。
⇒参照・引用元:『毎日経済新聞』「イ・ジュヨル『市場の需要見ながら迅速にドル供給を』」(原文・韓国語)
https://www.mk.co.kr/news/economy/view/2020/03/292432/
日本には何のメリットもありませんし、「NoJapan」なんてスローガンで反日活動を行っている国ですから、この時点で「日韓通貨スワップ協定」など日本が結ぶわけはないのですが、それだけ韓国経済の先行きが不透明ということでしょう。
実は、この李総裁はこれまでに何度も「日韓通貨スワップ協定」に言及してきた人物です。
発言の例を挙げてみましょう。
まず、日韓通貨スワップ協定が終了した際の発言です。
「安定的な金融市場の状況と堅実なマクロ経済の環境を勘案した際、延長の必要性は大きくないと判断した」
「韓日通貨スワップを延長しないことにしたのは、安定した金融市場の状況と堅実なマクロ経済の環境を勘案したもの」
⇒引用元:『中央日報(日本語版)』「韓銀総裁『韓日通貨スワップ、延長の必要性は大きくない』」
(2015年02月17日)
イソップ童話に登場する、キツネさんの「あのブドウはすっぱい」という発言のようです。獲得できなかったものを貶(おとし)めて自分を慰める心理から出る発言で、これを心理学では「合理化」といいます。
李総裁は、終了した日韓スワップ協定を取り戻そうと、以降も事あるごとに触れてきました。
「通貨スワップは相手国の経済事情が堅実だという判断と信頼があってこそ可能な条約」
「6大基軸通貨国の中では日本が関心事」⇒引用元:『毎日経済新聞(日本語版)』「『韓・日通貨スワップの再延長を準備』韓銀総裁」
(2018年02月22日)
韓国銀行(中央銀行)の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は、金融危機時にドルなどを融通し合う韓日通貨交換(スワップ)の再開に向け努力すると表明した
⇒引用元:『聯合ニュース(日本語版)』「日本との通貨スワップ再開に向け努力 韓国中銀総裁が意向表明」
(2018年05月06日)
「韓日通貨スワップは、政治的な理由で延長されず、協議も十分にできなかった。通貨スワップは中央銀行が経済協力レベルで接近しようというのが我々の一貫した立場であり、そのために努力していく考え」
⇒引用元:『中央日報(日本語版)』「日中、通貨スワップ協定締結を加速…韓日通貨スワップは?」
(2018年05月10日)
実は韓国では日中韓サミット直前の4日、韓国銀行(中央銀行)の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が約3年間中断している日韓通貨スワップについて、「今後、再開のために話し合いが始まる可能性がある」と記者団に期待感を示していた。
⇒引用元:『SankeiBiz』「【ビジネス読解】TPP11、日韓通貨スワップ…日本に再びすり寄る韓国経済の”窮地”」
(2018年05月20日)
「日本との(通貨スワップ協定)を再締結しない経済的理由は見当たらない」
⇒引用元:『REUTERS(日本語版)』「日本との通貨スワップ再開に経済的問題ない=韓国中銀総裁」
(2018年10月22日)
「米国の場合、基軸通貨国以外の国と通貨スワップを締結していないため難しいが、日本の場合、いくらでも再開できる可能性があるが、まだ条件は整っていないと判断する」
⇒引用元:『中央日報(日本語版)』「韓銀総裁『日本との通貨スワップ、いくらでも再開できる…条件はまだ整わず』」
(2018年10月23日)
※赤のアンダーラインは全て筆者による。
というわけで、李総裁という人がいかに日韓通貨スワップ協定を渇望しているのかがよく分かります。
李総裁の考え方は、
日韓通貨スワップ協定は政治的な理由で終了したのであって、経済的な理由ではなかった。政治的な問題を切り離して再締結するべきだ、
というものです。李総裁は、「日本にとっては『政治的にも経済的にも締結する必要がない』ということを全く理解していないのです。
(柏ケミカル@dcp)