韓国「米韓通貨スワップは無理そう」。そうだ!日本だ

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韓国メディア『中央日報(日本語版)』に「急激なウォン安…米国・日本との通貨スワップの必要性が急浮上」という記事が出ています。

『中央日報(日本語版)』は「通貨スワップ」の記事がお好きですね。

日本は韓国と「通貨スワップ」など締結しない

ウォン安が止まらないので、通貨安を防ぐためにアメリカ合衆国とだけではなく「日本との通貨スワップ契約締結の必要性が提起される」などと書いています。

噴飯ものなのは、以下の『国民の力』議員の発言を取り上げた部分です。

(前略)
「国民の力」の徐秉洙(ソ・ビョンス)議員は2日、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官の人事聴聞会で「政治的問題や両国間の感情問題を離れて必要なものを互いに助けて協力すべきという立場から韓日通貨スワップを再開すべき」とした。
(後略)

⇒参照・引用元:『中央日報(日本語版)』「急激なウォン安…米国・日本との通貨スワップの必要性が急浮上」

今に始まったことではありませんが、日本には韓国との「通貨スワップ」など全く必要ではないということがまだ理解できていません。

また、日本が韓国との「通貨スワップ」を締結しない理由は、かつて麻生閣下が述べた、

↑YouTube『ANNnewsCH』「麻生大臣『約束守れないなら金も返ってこない』(17/01/10)」

「信頼関係で成り立ってますんで、約束した話が守られないんだったら、こりゃあ貸した金が返ってくる可能性もないとか、スワップだって守られないかもしれないとか、いろんな話になりますから、むつかしくなりますよね、これは」

という言葉の中に全てがあります。

韓国の皆さんには「あんたたちは約束を守らないから締結しない」と言っているのが理解できないのです。

「どうせ合衆国に言ってもダメ」だから日本に言う?

『中央日報(日本語版)』の同記事が興味深いのは、米韓通貨スワップを推進したいのかと思いきや、途中からなぜか「日本との通貨スワップ」になっている点です。

まず、日本の岸田政権ならなんとかだまくらかせるのではないか――と考えている可能性があります。

岸田政権は脇が甘いですから注意しなければなりません。

いくらバイデン大統領が訪韓するときに話をぶつけても「恐らくダメだろう」と理解しているから、「通貨スワップを締結すべき」の矛先を日本に向けているという可能性もあります。

韓国メディア『ソウル経済』には「どうせ言ってもダメだろう」という嘆息にも似た記事が出ています。

記事の一部を以下に引いてみます。

(前略)
しかし、昨年末に終了した米韓通貨スワップが必要だという声が最近再び出ている。

(中略)

問題は、両国間の利害関係が合致しなければ通貨スワップを締結できないということだ。

(中略)

特に基軸通貨であるドルを持つ米国とは通貨スワップを結びたい国家が多く、連銀が先に提案しなければ事実上不可能な構造だ。

韓国が締結した2回の米韓通貨スワップは共に世界経済危機の状況で連銀主導で実現した。

グローバル金融危機(いわゆるリーマンショック/韓国通貨危機:筆者注)の前後でドル流動性が大きく不足するにつれて、連銀は韓国を含む14カ国の中央銀行と通貨スワップを締結し、ドル流動性を供給した。

(中略)

韓銀関係者は「連銀が締結する通貨スワップは一方的にドルを供給することになるため、連銀が主導権を持つことになるのもやむを得ない」と説明した。

常設通貨スワップはさらに難しい問題だ。

合衆国連銀が常設通貨スワップを締結した中央銀行は、イギリス、日本、カナダ、EU、スイスなど5カ国だけだ。

2013年10月以降、相互間通貨スワップを無制限・無期限に常設化して運営中だ。

他の国々は危機状況ごとに一時的に締結して少しずつ延長し、必要性がなくなったら中断する。

これさえ1カ国だけと行うのではなく、10カ所余りと同時に結ぶ。

⇒参照・引用元:『ソウル経済』「韓 아닌 美 원해야 가능…통화스와프의 정치학 [조지원의 BOK리포트]」

同記事のとおり、合衆国連銀がドル流動性スワップを無制限・無期限で常設化しているのは、日本、イギリス、EU、カナダ、スイスの計5つの中央銀行だけです。つまり、ハードカレンシーを持つ国と地域の中央銀行とだけ。

また、『韓国銀行』と締結するのは他の中央銀行と一緒に行ってきました。つまり、韓国はその他大勢の中央銀行の一つなのです。

ですから、『韓国銀行』だけが常設ドル流動性スワップに参加できるなんてことはまずあり得ないのです。

というわけで、この『ソウル経済』の記事は、いくら言っても「米韓通貨スワップを締結するのは恐らくダメだ」と理解した記事です。

『韓国銀行』総裁も「無理だってば(笑)」

傑作なのは、『韓国銀行』新総裁になった李昌鏞(イ・チャンヨン)さんが国会人事聴聞会で、米韓通貨スワップについて聞かれ、以下のように発言していることです。

「合衆国と常設スワップを結んでいる国々は全世界的な金融ハブとも言うべき国々」

「我が国は常設スワップを結びにくい状態で、欲しいとかいうことではないだろう

この李昌鏞(イ・チャンヨン)さんは、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)のアジア・太平洋局長まで務めた人なのでマクロ経済については深い知見をお持ちでしょう。

李昌鏞(イ・チャンヨン)さんからすれば「合衆国と無期限・無制限の通貨スワップを締結できれば……」などという議論については、恐らく「できるわけないだろ」とでも答えたかったことでしょう。

「欲しいとかいうことではないだろう」と答えたとき、李昌鏞(イ・チャンヨン)さんは冷笑していたはずです。『IMF』で要職を務めただけあって、この人にはどこか「ばかには付き合いきれない」という風が感じられます。

ともあれ、また韓国で「通貨スワップ」の連呼が始まりました。

とりあえず、脇の甘い岸田政権が韓国に対して妥協することが懸念されます。もちろん、韓国に妥協などしたら、次の参院選での勝利は覚束なくなるでしょうが、愚かな決断をしないことを望むばかりです。

(吉田ハンチング@dcp)

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