「日韓関係を良くしよう」という声が大きくなっていますが、ここでいわれる「良好な日韓関係」とは何か?をよく考えなければなりません。
「日韓関係が良かった時代」というのは、「日本が一方的に韓国に譲歩し続ける時代」ではなかったでしょうか。
韓国に対して正当な要求もできず、沈黙を守らなければならないような関係を「良好」などと呼ぶべきではありません。
日本は、韓国が望む「良好な日韓関係」がどのようなものであるのかを見極め、かつてのように「日本は一方的に韓国に譲歩し続けろ」という話であるなら、断固拒否すべきです。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が望んでいる「良好な日韓関係」とはどのようなものでしょうか。それが分かる報道が出ています。
浦項製鉄は日本の資金・技術の支援がなければできなかった
2022年07月15日、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、新任の駐日大使、駐韓大使、国連大使に対する任免状を授与。
↑尹大統領と尹政権初の駐日大使となった尹徳敏(ユン・ドクミン)さん
尹大統領は、新任大使、朴振(パク・ジン)外交部長官(外相に相当)、一部参謀と晩餐会を行いました。この件を扱った『中央日報』の記事に見逃せない部分があります。
以下に記事の一部を引用します。
(前略)
尹大統領はこの場で、尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日大使に「一日でも早く韓日関係が一番良かった時代に戻ってほしい」と強調したという。当時現場にいたある参加者は、
「尹大統領は、過去日韓が協力して共に建設した浦項製鉄などの事例に言及した」とし
「両国が信頼を持っていた時期への回復を強調した」と伝えた。
韓国産業化の基盤を固めた浦項製鉄は、韓日経済協力の代表的な成功モデルと呼ばれる。
先に少しだけご紹介したことがありますが、浦項製鉄(現在は『ポスコ』)は、日本が資金と技術を注ぎこんでできたものです※。
「日韓の協力」などではありません。事実上、日本が「造ってあげた」のです。
日韓基本条約に伴う対日請求権5億ドルの中から7,723万ドル、それでも足りずに日本輸出入銀行から5,450万ドルを投入。
技術も全面的に供与し、高炉、鉄の生産施設を完成させたのです。技術を教えたのは『八幡製鐵』『富士製鐵』『日本鋼管』の3社です。
当時の日本は「かつての同胞のために」というので、資金と技術を惜しげもなく注ぎ込みました(こういうのこそを協力というのです)。
で、どうなったかというと、この浦項製鉄は『ポスコ』となって、世界市場で日本の鉄鋼会社を圧迫する規模となり、揚げ句の果てに『新日鉄住金』の特殊鋼板の製造技術を盗用。
2015年には『ポスコ』は和解金300億円を支払いました。
いささか話がそれましたが、浦項製鉄の成立は「日韓協力」の成果などではありません。日本の一方的な支援による成果です。
尹大統領は「浦項製鉄」を日韓協力を象徴する成果と見ていることが分かりました。
すなわち、望んでいる「良好な日韓関係」というのは「日本が韓国に一方的に資金・技術を供与する関係」と見ざるを得ません。
日本政府、および日本の議員の皆さんは「日本が韓国に一方的に頭を垂れる関係」をお望みなのでしょうか。よくよく考えて行動されるべきでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)