韓国の通貨ウォンは対ドルで安値進行を続けており、そのため「通貨スワップが要る!」などと連呼するようになっています。
しかし、これはアメリカ合衆国が金融緊縮方向に動いているのが原因なので、合衆国が「ドル流動性スワップ」を提供して止まるものではありません。
通貨安の進行と共に株安も進行しています。
KOSPI(韓国総合株価指数)のチャートに「ドルウォン」チャートを重ねてみます(チャートは『Investing.com』より引用)。
↑KOSPIはローソク足、ドルウォンはバーチャートです(バーチャートは上昇・下落の色がいつもと逆になっていることにご注意ください)
このようにウォン安の急伸と共に株価も下落傾向にあります。
これはウォン安の進行によって外国人投資家が韓国株式市場から離脱傾向にあるから――とされます。
確かに外国人投資家はセルコリアを継続しています。
直近1カ月(2022年04月13日~05月13日)のKOSPIだけでも売り越し金額が「3兆9,072億ウォン」。3カ月(2022年02月13日~05月13日)では「12兆4,850億ウォン」にもなるのです。
しかし、通貨安の進行と共に外国人投資家がお金を抜くのは当然の話です。
例えば、04月の始値は「1ドル=1,215ウォン」でしたから、1,215ウォンを稼いだら1ドルになりましたが、05月13日には「1ドル=1,278ウォン」で1,278ウォン稼がないと1ドルにならなくなったのです。
外国人投資家にとってはウォン安の進行によって為替差損が積み上がるわけですから「通貨安が進行する国にお金を置いておけない」となっても当然です。
なので、ウォン安が進行すれば、株式市場から外国人投資家の資金が抜ける方向になっても至極当然のこと――となります。
ですから、そもそも合衆国の金融引き締めが止まらないことにはウォン安の進行を止めることはできず、だからこそ外国人投資家が韓国株式市場から資金を抜くことも止められない――となります。
つまり、トレンドとしては「ウォン安」「株安」方向は変わらないと考えられます。外国人投資家なしでも株価は上がるというのなら、そうならないかもしれませんが。
(吉田ハンチング@dcp)