アメリカ合衆国から怒られそうな事態になりました。
韓国の『LGエネルギーソリューション』は電気自動車用のバッテリー製造で有名です。
文在寅前大統領が「K-バッテリー」と誇りましたが、それを代表する企業。もともと『LG化学』の一部門だったのですが、切り出して完全子会社とし、株式上場も果たしました。
2022年03月、アメリカ合衆国のアリゾナ州に1兆7,000億ウォンをかけて11GWh規模のバッテリーを製造できる新工場を建設すると発表しました。
これは文在寅前大統領がバイデン大統領と首脳会談を行った際(2021年05月21日)の手土産の中にも入っていた話です。この手土産のおかげで昼食はハンバーガーではなくクラブケーキにしてくれたわけですが。
ところが……。
ウォン安で投資額が膨らみ「無理」と判断
2022年06月29日、韓国メディアに「『LGエネルギーソリューション』が投資計画を全面的に見直すことになった」という記事が出ました。
記事の一部を以下に引用します。
(前略)
『LGエネルギーソリューション』の関係者は29日、「経営環境の悪化に伴う投資費の急騰により、投資時点および規模、内訳などについて綿密に見直しているが、まだ決定された事項はない」と明らかにした
(後略)
現在のところ保留とのことですが、事実上の白紙撤回と見た方がいいかもしれません。
ウォン安が急進していることが理由の一つです。
ウォン安が進行しており、1兆7,000億ウォンの予定が、このままでは2兆ウォンを超えると見込まれたので、停止したのです。
もともとこのアリゾナ新工場は、2022年第2四半期に着工、2024年下半期には量産開始という目論見でした。投資金額の増加を理由に止めたのはナイス判断かもしれませんが、合衆国から怒られそうではあります。
(吉田ハンチング@dcp)