『韓国銀行』が「2022年下半期システムリスクサーベイ」を公表。
システムリスクサーベイという名前ですが、まあ中身はアンケート調査みたいなものです。11月02~09日に、韓国内外の金融・経済の専門家72人に聞いてみました――という内容です。
1年以内に来る:58.3%
衝撃が来る可能性
「非常に高い」「高い」:44.4%
「非常に低い」「低い」:5.6%
「1年以内に金融システムの安定性を阻害できる衝撃が来る」と専門家が58.3%に達しているのをなんと評せばいいのか分かりませんが、専門家の皆さんが危機感を持っていらっしゃるのは確かです。
短期的な衝撃を与えるものとして、リスクが高いものをどのように挙げているかというと……。
・国内市場金利の急激な上昇……87.1%
・企業の資金調達条件の悪化による不良リスクの増加……82.2%
・金融機関の融資の不良債権化および偶発債務の現実化の懸念……74.3%
が票を集めました。やけに具体的だなぁ(笑)――です。
1~3年以内の中期的な衝撃のリスクでは、
・不動産市場の低迷……46.2%
・高い家計負債の水準および返済負担の増加……40.0%
注目すべきが、これら主要リスクとして挙がったのが全部韓国内の話であることです。
つまり、韓国経済に衝撃を与えるだろうと考えられるリスクは、全部自分のせいなのです。
上半期のシステムサーベイで挙がった、
・原材料価格の上昇およびグローバルサプライチェーンの支障による物価上昇圧力
・主要国通貨政策の正常化
・ウクライナ事態
という3つの主要リスクについては、今回は後退しました。
興味深いのは、回答した専門家らからの「金融システムの安定性を高めるための処方箋」です。
その一つが「資金市場梗塞防止のための当局の積極的流動性供給と市場コミュニケーション強化が必要だ」です。
ほら、やっぱり「当局が実弾を突っ込め」ということです。
(吉田ハンチング@dcp)