韓国が誇る半導体産業でのライバルといえば台湾になるでしょう。しばしば韓国メディアには、『サムスン電子』が台湾『TSMC』に遅れをとったぐぬぬ――みたいな記事が出ます。
中華人民共和国との国交樹立を巡って過去に遺恨があったので、台湾側からは韓国に言いたいことも山ほどありそうですが、とりあえず韓国の皆さんは「台湾より韓国の方が国格※が上だ」思っていらっしゃるようです。。
※「国格」なんて言葉は日本は使いませんけれど韓国表記に合わせます。
「台湾はもう韓国に憧れはしない」という面白い記事が出ているのでご紹介します。以下に記事から一部を引用します。
韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の最近の台湾に関する発言は、中国と韓国の間で激しい応酬を巻き起こしている。
金融専門家の謝金河氏は、近年の台湾と韓国の発展を分析し「昔は韓国を崇拝し、今は韓国が台湾を羨んでいる」と語った。
(中略)
謝氏はFacebookの投稿で、朴槿恵から文在寅まで、韓国は近年、中国を巨大で有望な市場として見てきたと指摘し、2015年には中韓FTAが調印され、22の産業、90%以上の製品が無関税となり、韓国国民は大喜びした。常に韓国と激しく競争してきた台湾は喪に服した。
(中略)
謝金河は、過去に台湾人はかつて韓国に憧れていたが、この状況は今、大きな変化したが、これは2015年からこれまでに3つの大きな変化が発生したためと指摘している。
一つは、中韓FTAが糖衣から毒に変わったことだ。
2018年の韓国の貿易黒字は556億4,000万ドルで過去最高だったが、その後年々減少し、昨年は13年ぶりの赤字となり、その真髄は中韓貿易の逆転で、わずか4年で黒字から赤字になったことである。
今年第1四半期、韓国は中国に対して78億3,900万米ドルの赤字を出し、最大の赤字国となっている。
中韓FTA締結後、中国製品は低関税を利用して韓国市場に攻め込み、中国製化学材料、パソコン、電池、工具、機械など全てを潰した。
第二に、2003年以降、韓国の1人当たりの所得が台湾を追い抜くようになった。最悪のときには、台湾は1万ドル以上のリードを許したが、昨年は再び互角に渡り合った。ドル換算では、台湾は韓国に僅差で勝っているくらいで、大逆転と言える。
第三に、国の守護神の役割も担っている『サムスン電子』は、この2年間で利益が激減している。
『サムスン電子』の第1四半期の営業利益は6,000億ウォンで、『TSMC』の純利益は2,069億9,000万台湾ドルである。昨年第4四半期は『TSMC』が2,959億台湾ドル、サムスンが2,700億ウォンで、その差はさらに大きくなっている。
⇒参照・引用元:『看中国』「谢金河揭台韩经济差距 美中交锋台湾如何选边站?」
かつて台湾の皆さんが本当に韓国に憧れていたのかどうかは非常に疑問ですし、謝金河さん個人のご意見ではありますが、台湾経済が韓国を追撃しているのは確かです。
名目GDPでは、まだ以下のとおり両国の差は大きいです。
韓国:1,665.25(十億ドル)/世界13位
台湾:761.69(十億ドル)/世界21位
データ出典:『IMF』
「あれ? 韓国ってGDPランキングで10位とか言ってなかった?」と思われた方がいらっしゃるでしょう。韓国は2022年に2ランクダウンしました。経済が不調だったのと、ウォン安が進行してドル換算額で金額が減ったのが効きました。
また、1人当たりの名目GDPでは、
台湾:32,643.22ドル/アジア32位
韓国:32,250.41ドル/アジア33位
データ出典:『IMF』
すでに台湾にまくられています。
経済的自信が外国を見る目を変えるとすれば、台湾の皆さんの韓国への視線も変化しているでしょう。仰ぎ見るような視点でないのは確かではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)