緊急会議ばっかり開いている韓国の企画財政部ですが、洒落にならないくらい輸出が減少し、経済が危ないので「とにかく輸出を増やそう」が合言葉です。
これは、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領も同じで、先にご紹介したとおり、「政府機関全てが産業通商資源部になったつもりで輸出を増やしてほしい」と発破をかけています。
その産業通商資源部は、2023年05月16日、「汎政府的な輸出有望品目支援で輸出危機を克服する」というプレスリリースを出しました。
まず以下をご覧ください(本線はその次なので飛ばしても大丈夫です)。
輸出有望品目支援で輸出危機を克服する
-23年輸出目標達成のための輸出有望品目30個を集中支援
–中国のリオープニング効果を活用するための対中輸出拡大支援策を策定
–再生可能エネルギー産業の輸出活性化案、海外認証総合支援案などを議論
政府は、輸出有望品目30個を選定して集中的に支援する一方、最大の貿易相手国である中国市場への輸出拡大を支援するなど、輸出危機を克服するために 汎政府的な力を結集する。
産業通商資源部は、輸出関連部署と共に05月16日、政府ソウル庁舎で第2回「汎政府輸出状況点検会議」を開催し、このような内容を含む輸出拡大策を議論した。
同会議では、今年2月に開催された第4回輸出戦略会議で発表した主力製造業および12大新輸出有望分野のうち、輸出拡大が期待される詳細有望品目を選定し、輸出支援計画を議論した。
政府は輸出有望品目指定制度を導入し、拠点貿易館の指定、輸出バウチャー、海外支社化事業などと連携する特化支援プログラムを導入するなど、政府支援を拡大する予定だ。
また、政府は中国の経済活動再開効果などが輸出拡大につながるよう、中国の市場動向と産業構造の変化に合わせた3つの分野(➊新成長製造業、➋消費財、➌デジタル・グリーン転換)の中国市場進出支援を強化し、政府協力チャンネルを活用して経済協力案を策定することにした。
また、対中輸出企業に対する貿易保険・信用保証限度額の拡大などパッケージ支援を強化し、国内復帰企業を活用した大衆輸出拡大のために設備移転、国内投資支援などを強化する。
一方、「30年再生可能エネルギー産業輸出5兆ウォン、海外進出10兆ウォンを達成するための再生可能エネルギー産業輸出活性化方案および輸出企業の海外認証取得の総合支援と関連し、省庁間の協力案も議論した。
産業通商資源部の李昌洋(イ・チャンヤン)長官は、
「半導体などグローバル景気回復の遅れなどで輸出環境が依然として厳しい状況だが、貿易赤字および輸出不振から早期に脱却するためには、より強力な輸出ドライブに全省庁が力を合わせなければならない」とし、「今回選定した有望品目を中心に輸出拡大のために最善を尽くしていく」と明らかにした。
「汎政府的な……」が、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領のいう「全ての政府機関が産業通商資源部のつもりで……」に当たります。
注目ポイントは、政府が支援する30個の有望品目が何か?です。
なんだかロクなものがないのですが……
「30個の有望品目」は以下の部分に書かれています。
各政府機関が推した物品は果たして何か?をご覧ください。
30個の輸出有望詳細品目
好調品目:5個
1.電気自動車
2.陽極材
3.航空油
4.ヒートポンプ(機械)
5.バイオシミラー持続成長品目:8個
6.高性能メモリー半導体(HBM)
7.透明OLED
8.アラミド(繊維)
9.バイオプラスチック
10.LNG船
11.炭素繊維
12.亜鉛メッキ鋼板
13.原発用の資材機械品目:4個
14.掘削機
15.トラクター
16.ドライブレコーダー
17.IHオーブン農食品部:3つ
18.ラーメン
19.梨
20.スマートファーム海洋水産部:4個
21.海苔
22.カキ
23.ヒラメ
24.アワビ福祉部:1個
25.化粧品文化体育部:2個
26.ゲーム
27.音楽科学技術情報通信部:3個
28.クラウド基盤サービス
29.デジタルヘルスケア
30.OTT
「とにかく30個出しました」みたいなリストです。
韓国の各政府機関が出したリストなので、有望株と見ているのでしょうが、本当に韓国に勝ち目(競争力)がありますか?と疑問に思う物が散見されます。
そもそも「1」に挙がってる電気自動車から、日本市場ですら中国産に負けているぐらいですし、「4」のヒートポンプや「11」の炭素繊維、「12」の亜鉛めっき鋼板など日本企業に勝てると本気で思っているのでしょうか。
各分野の専門家から突っ込みが殺到しそうなリストになっていないでしょうか。
どうでもいいですが、必ずラーメンと海苔が入ってくるのが面白い点です。
ラーメンと海苔とK-Pop……大丈夫なのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)