2023年07月17日、韓国の産業通商資源部が「上半期の自動車輸出、357億ドルで過去最高を記録」というプレスリリースを出しました。
「今年上半期(’23.01~06月)の自動車輸出額は前年同期比46.6%増加した357億ドルで、歴代最高値を更新し、これまで最高の『2014年上半期輸出額:252億ドル』を100億ドル以上超えたことが分かった」という華々しい内容です。
なぜ自動車輸出がこれほど良い結果になったかいうと、主に2つ原因があります。一つは2020年のコロナ禍で需要が低迷したときの反動がきたこと。同時に半導体不足で供給できなかったときの反動で需要が高まったことです。
つまり、コロナ禍で低迷していた分の需要が積み上がったわけです。
韓国にとって良かった話なのですが、この中に面白いデータがあります。「地域別輸出金額」です。
以下をご覧ください。
2023年06月 地域別「自動車」輸出金額
北米:30億9,500万ドル(+63.4%)
EU:10億1,800万ドル(+95.4%)
その他ヨーロッパ:4億2,900万ドル(+79.5%)
アジア:5億8,100万ドル(+54.1%)
中国:4億4,400万ドル(+20.4%)
中南米:2億6,100万ドル(+31.4%)
オセアニア:3億5,800万ドル(+22.8%)
アフリカ:3,900万ドル(-2.8%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』「上半期の自動車輸出、357億ドルで過去最高を記録」
韓国にとって最も大きな輸出市場は(世界第2位のアメリカ合衆国を含む)北米で、「30億9,500万ドル」となっています。
世界第1位の自動車市場となった中国では、シェア低下によって「4億4,400万ドル」にとどまっています。
「あれっ」と思われませんか。国別で見た「世界第4位の自動車市場」である「日本」がありません※。
第1位 中国……2,686万3,745台
第2位 アメリカ合衆国……1,423万324台
第3位 インド……472万5,472台
第4位 日本……420万1,320台
第5位 ドイツ……296万3,748台
第6位 ブラジル……210万4,461台
第7位 イギリス……194万3,572台
第8位 フランス……192万9,554台
第9位 韓国……168万3,657台
第10位 カナダ……156万2,965台
本来であれば、中国と同じように「日本」と別枠で集計されていてもおかしくない市場規模なのです。「アジア」の中に集計されているのかもしれませんが、世界第4位の自動車市場で存在感がないことが伺えます。
実際、2022年に再上陸した『現代自動車』は低迷を続けていますので、産業通商資源部も特記すべき事項がないのです。
(吉田ハンチング@dcp)