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中国ピンチ!頼みの「対ASEAN輸出」もマイナスに転じた

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2023年08月08日、中国の海関総署が2023年07月の輸出入動向を公表しましたが、この中に非常に興味深いデータがあります。

中国は大きな韓国と言っていいぐらい貿易が大事です。「中国は世界の工場」などと誇ってきたとおり、貿易で大きな黒字を出すことが、経済の要。韓国と違うのは、「製品」だけではなく資源も輸出できる点です。

これまでアメリカ合衆国との貿易で大もうけしてきたのですが、最大の輸出相手は今やASEAN諸国です。

2023年01~07月累計での輸出金額を比較してみましょう。

2023年01~07月累計の輸出金額
対ASEAN:3,048億5,410万ドル
対EU:3,003億910万ドル
対アメリカ合衆国:2,816億5,550万ドル

地域連合のくくりにしてみると、実は「ASEAN」への輸出が、対EU、対合衆国よりも多いのです。

中国がASEANとネゴネゴしているのは、このよな背景があるからです。ASEANが反中国で結束されたりすると困るのです。また、EUに秋波を送って自由主義陣営国を分断しようとしているのも、経済を支えている輸出が弱ると困るからです。

この大事な対ASEAN輸出が、07月についに対前年同期比でマイナスに転じました(前月、06月までは対前年同期比でプラスで回っていました)。


↑黄色でフォーカスしたのが2023年01~07月累計での対ASEAN輸出金額と対前年同期比。対ASEANは「-2.0%」

⇒参照・引用元:『中国 海関総署』公式サイト「(1) 2023年07月の全国輸出入額表(米ドル換算)」

主要輸出相手国の「01~07月累計 対前年同期比の輸出増減」は以下のようになります。

対欧州連合:-8.9%
対ドイツ:-12.1%
対オランダ:-10.3%
対フランス:-10.0%
対イタリア:-15.2%
対アメリカ合衆国:-18.6%
対ASEAN:-2.0%
対ベトナム:-6.5%
対マレーシア:0.1%
対タイ:-1.6%
対シンガポール:20.2%
対インドネシア:-8.1%
対フィリピン:-11.2%
対日本:-6.8%
対香港:-9.4%
対韓国:-6.4%
対台湾:-24.5%
対オーストラリア:-2.6%
対ロシア:73.4%
対インド:-2.2%
対イギリス:-4.1%
対カナダ:-20.5%
対ニュージーランド:-16.2%
対ラテンアメリカ:-3.5%
対うちブラジル:-6.0%
対アフリカ:12.3%
対南アフリカ:9.0%

無法者同士の連帯ともいうべき、対ロシア輸出「+73.4%」が目立ちますが、総じて中国の輸出は対前年同期比でマイナスばかりです。

中国の景気回復は失速しています。

(吉田ハンチング@dcp)

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