韓国「トリプル安」連休明けたら暗い水曜日だった

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アメリカ合衆国経済が不安定になっており、韓国も揺れています。

問題は金利です。

米国債10年物の金利は以下のように高騰しています(チャートは『Investing.com』より引用:日足/以下同)

上掲のように急騰しています。これは米国債が売り込まれていることを示していますが、合衆国がこうなると韓国債は揺さぶられます。以下は韓国債3年物の利回りチャートです。

合衆国公債はリスクフリーといわれますので、その利回りが上昇すると、資金は移動します。お金はより増える方に動くからです。韓国なんかにお金を置いている場合じゃねえな、となって韓国から資金が抜けるわけです。

韓国債が売られて利回りは上昇します。

その過程で、ウォン売りドル買いが発生しますので、ウォン売り方向に圧力がかかってウォン安が進行します。以下は直近のドルウォンです。

債券が駄目なら株式に(あるいはその逆)というふうに資金は動くものですが、韓国のようなローカルカレンシーの国の場合、合衆国で利率が上がれば「ドルに換えて合衆国に資金投入だ!」となりますので、株式市場からも資金が抜けます。

実際、株価が下がっています。

株式が売り込まれて株価が下がる局面でも、ウォン売りドル買いが起こるので、やはりウォン安が進行します。

債券が売り込まれて利回りが上昇して:債券安
株式が売り込まれて:株安
通貨が売られて:通貨安

と三拍子そろって、これでトリプル安です。

連休明け2023年10月04日(水)の韓国はトリプル安に見舞われ、さっそく韓国メディアでは「ブラック・ウェンズデー」という言葉が登場しました。

問題は、この後も難局が続くのではないかという観測が出ていることです。

というのは、合衆国の緊縮傾向が長期化するのではないか、という観測が出ているのです。2023年の『FOMC』(Federal Open Market Committeeの略:連邦公開市場委員会)は、11月・12月のあと2回。

このうちどちらかで金利をあと0.25%(=25bp)上げるのではないか?という読みが出ています。

米韓の基準金利(政策金利と同義)は以下のようになっており、

アメリカ合衆国:5.25~5.50%
韓国:3.50%

その差は「2.00%」です。これは韓国史上最大の金利差です。現在は目立った「韓国からの資金流出」はありませんが、合衆国が0.25%政策金利を上げた場合、金利差がさらに拡大します。

そうなったら、大きな資金流出が起こるかもしれません。お金はより増えるところに動くからです。

資金流出を止めるためには、負けじと基準金利を上げるしかないのですが、韓国は現在金利を安易に上げられる状況にはありません。

政府・企業・家計の3部門ともに負債が拡大しており、金利を上げると3部門共で利払い額が拡大し、また資金調達コストが上がるからです。脆弱層からばたばたいくかもしれません。

『韓国銀行』はじめ韓国の金融当局は三すくみ、四すくみといった状況です。「どうすんの?」ですが、合衆国の様子を見ながらパッチワークで手を打っていくしかありません。

(吉田ハンチング@dcp)

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