2023年10月05日、韓国の産業通商資源部が「2023年第3四半期におけるFDI(海外直接投資」)のデータを出しました。
結論からいえば「外国から韓国への投資が過去最高を達成しました」という内容ですが、非常に興味深い点があるのです。以下をご覧ください。
第3四半期の韓国への直接投資、11.3%急増
2023-10-05産業通商資源部(MOTIE)は10月04日、2023年第3四半期(01~09月/会計年度)に韓国への外国直接投資(FDI)が前年同期比11.3%増の240億ドルとなり、過去最高を記録したと発表した。
同期間に実際に韓国に到着したFDIも20.2%増の139億ドルと過去最高を記録した。
(件数で見ると:引用者注)申請件数は増加したが、到着件数は減少した。
申請件数は2,522件(11.3%増)、到着件数は1,940件(6.8%減)に達した。
投資をめぐる世界的な不確実性や、アメリカ合衆国(2023年上半期は15.5%減)と中国(2023年上半期は12.8%減)が発表した対外直接投資の減少にもかかわらず、韓国への投資は戦略的ハイテク産業への投資拡大により着実に増加している。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「FDI pledged to Korea in Q3 jump 11.3%」
2023年01~09月累計、つまり第3四半期までの累計で、
到着:139億ドル(+20.2%)
※( )内は対前年同期比の増減
となりました。
前に少しご紹介したことがありますが、FDIには申告ベースと到着ベースの2つの統計があります。申告してから実際に到着するまで期間があるのです。また、申告はしたものの実際に着金するとは限りません。
ですので、申告ベースで増加したからといって喜んでいると、着金しなかったということがあり得ます。
今回韓国にとってうれしいのは、申告・到着の両方で史上最高金額を達成したことです。
また、上掲のとおり、合衆国(-15.5%)・中国(-12.8%)が上半期ベースで海外投資を減らしている中での達成です。
ここまでは「やった!」かもしれないのですが、実は以下が面白いところです。プレスリリースから引用します。
(前略)
合衆国と日本からのFDI申告は、それぞれ27.2%減の52億ドルと10.5%減の9億ドルとなった。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「FDI pledged to Korea in Q3 jump 11.3%」
「韓国へのFDIが増えたー!」かもしれませんが、そんな中、合衆国と日本という「韓国をとてもよく知る両国」は投資を減少させました。
アメリカ合衆国:52億ドル(-27.2%)
日本:9億ドル(-10.5%)
特に注目したいのは、合衆国です。上記のとおり、合衆国は海外投資を絞っており全体では「-15.5%」。しかし、韓国への投資は「-27.2%」ですから、1.75倍減らしているのです。
日本は実に日本らしく、わずか9億ドルで「-10.5%」と着実に削っていっています。いいことです。反日を国是とする国になど投資をしてもいいことはありません。
――というわけで、「過去最高のFDI額となったー!」と喜んでいらっしゃいますが、世界第1位・第3位の経済大国は韓国への投資を忌避した、という結果なのです。
(吉田ハンチング@dcp)