2023年11月28日(現地時間)、韓国は万博を釜山に誘致することに失敗しました。これを受けて、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は談話を発表しました。
以下は、第20代大統領室が公表した談話の全文です。
釜山市民だけでなく、私たち国民の熱望を込めて官民合同で、汎政府的に2030年エキスポ、釜山エキスポの誘致を推進しましたが、失敗しました。
まず、これまでエキスポ誘致のために不眠不休でご尽力いただいたパク・ヒョンジュン釜山市長、そして民官合同誘致委員会の共同委員長であるチェ・テウォン商議院議長、韓悳洙(ハン・ドクス)首相、忙しい日程にもかかわらず、企業の業務を脇に置いて最善を尽くしてくださった李在鎔(イ・ジェヨン)『サムスン』会長、チョン・ジョンソン『現代自動車』会長、ク・グァンモ『LG』会長をはじめとする多くの企業家、 そして職員、そして外交部の本部と在外公館、そして特にパリのチェ・ジェチョル駐仏大使をはじめとする韓国大使館の職員、またパク・サンミユネスコ大使をはじめとするユネスコ大使館の職員、そしてOECD最高位大使をはじめとするOECDの全職員がパリ現地で本当に最善を尽くして、過去1年以上本当に一生懸命に働いてくれました。
そして、私たち国務委員も様々な国を担当し、忙しいスケジュールを後にして時間を割いて、まさに遠くまで回りながら誘致のために走りました。
私は大統領選挙に出馬するに当たり、2021年07月に釜山に行って、2014年から釜山市民が「2030年 EXPO」を誘致するために本当に努力してきた、市民の熱望を目撃し、また、政府から支援をしてほしいという希望、それについての無関心に対する失望感も感じました。
そこで私は大統領選挙の過程で、私が大統領になれば、汎政府的に、釜山エキスポ誘致のために汎政府的に最善を尽くすと約束しました。
当選者時代には、ありがたいことに私たちの企業がここに一緒に参加すると、また、民官が共同で仕事をすると参加していただき、本当にこの1年半の間、悔いなく走ったと思います。
私自身も96カ国首脳と約150回ほど会い、数十カ国首脳とは直接電話もしましたが、官民で接触して、私たちが感じた立場に対する予測が大きく外れたようです。
この結果は全て私の力不足だと思ってください。
官民は合同で本当に頑張りました。
うまく指揮して誘致を導き出せなかったのは、大統領である私の不甲斐なさだと思います。
しかし、釜山エキスポの誘致は単に釜山だけの発展のためではなく、ソウルと釜山を二つの軸にして、韓国のバランス発展を通じて飛躍的な成長をするための試みでした。
今、特定の地域だけが発展するこのような不均衡な成長をしていては、私たちが潜在成長力を高めて飛躍的な成長をすることは困難です。
サッカーでグラウンドを全部使わないと良い試合ができないように、私たちが世界10大経済大国からさらにジャンプするためには、国土の全ての地域を私たちが十分に産業化し、全部使わなければなりません。
そのために、釜山を軸にして、また、ソウルを軸にして首都圏、忠清南道、江原地域の二つの軸を中心に発展させることが正しい方向だと考えました。
一昨年の07月に釜山を訪問した際にも、私は市民やジャーナリストたちにこのような話をしました。
外国から見ると、知っている主要都市としてその国を認識すると言いました。
遠く外国から見ると、大韓民国といえばソウルしか知りません。
それが非常に普遍的です。だから釜山を知らせなければならないのです。
日本といえば私たちは日本の東京も知っているし、大阪も知っているし、札幌も知っていますが、世界的に日本といえば東京と大阪の2つとして認識されています。
だから私は、ソウルと釜山を韓国の2つの軸として世界に知らせ、これを拠点にして2つの地域の発展を牽引しようと考えました。
EXPO誘致は失敗しましたが、このような国土の均衡発展戦略はそのまま推進されるでしょう。
釜山を海洋と国際金融と先端産業、デジタルの拠点として引き続き育成し、私たち南部地域が有機的につながり、あえてソウルまで来なくても南部地域で釜山を拠点としてすべての経済・産業活動が円滑に行われるようにインフラ構築を滞りなく進めていきます。
そして、EXPO誘致の過程で、もちろん韓国政府の国政基調ですが、EXPO誘致の過程で国際社会に向けて話したように、戦争の廃墟からこれだけ成長するために国際社会から多くの助けを受けたので、今、私たちが恩返しをしようとする、だから釜山エキスポは分かち合いのEXPOであり、連帯のEXPOであるという点を強調してきました。
このような韓国の対外政策の基調には全く変わらず、私たちのグローバル中枢外交を志向するという基調の下、国際社会に対する責任ある貢献が韓国の国格のためにも、必ず徹底的に推進し、履行していくということを申し上げます。
そして、私たちの非常に重要なパートナー国であるサウジアラビアが望んでいたエキスポリヤド開催を成功裏に実現したことを心から祝福します。
さらに、私たちが釜山EXPO誘致のためにこれまで準備してきた資料と経験、私たちが持っている資産をサウジアラビアに十分に支援し、サウジアラビアが2030年に成功裏にエキスポを開催できるよう支援していきます。
最後に再度、EXPO誘致を総指揮し、責任を負った大統領として、釜山市民をはじめとする国民の皆さんを失望させたことについて、本当に申し訳ないと申し上げます。
全ては私の不足です。
しかし、私たちが国土の均衡発展のための努力と国際社会への責任ある貢献という国政基調は滞りなく遂行していきます。
ありがとうございました。
⇒参照・引用元:『韓国 第20代大統領室』公式サイト「”엑스포 유치를 위해 수고해 주신 경제인, 국민께 감사…앞으로도 국토 균형 발전 전략과 국제사회에 대한 책임있는 기여 이어나갈 것”」
誘致に失敗した理由は「自分の至らなさ」であるとして、素直に責任を認めています。このような点は、前文在寅さんより万倍マシで、評価できます。
なにせ文在寅さんは、成功しそうだったり誇ったりしたいときは表に立ちますが、失敗したり国民から非難されたりといった際には、部下にやらせるという、Topにあるまじき人物でした。何かあったときに責任を取らないTopなど何の意味があるでしょうか。
韓国の政治家には「誰が責任を取るのか」を曖昧にするという悪癖があります。恐らく今回の誘致失敗も、文在寅さんなら大統領室報道官からの公表だけで済ませたでしょう。批判の矢面に立つという姿勢がある分、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は評価できます。
確かに釜山でEXPO開催は実現できませんでしたが、出費を抑えることができたという考え方もできます。韓国の夏はすでに終わり、これから冬がくるのですから。
(吉田ハンチング@dcp)