2023年11月24日、韓国の『韓国自動車モビリティ産業協会』(略称「KAMA」)が「2023年10月自動車産業動向(確定)」を公表しましたが、非常に興味深いデータがあります。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください/スクリーンショット⇒参照・引用元:『KAMA』公式サイト「2023年10月自動車産業動向(確定)」
韓国経済にとってはもちろん輸出が最も重要です。このリポートでは、以下のように輸出が引き続き好調であることを述べています。
□10月の輸出は、最大輸出市場である北米・ヨーロッパ内堅調な国産SUV・環境に優しい自動車需要による輸出増加で、前年同月比8.6%増加した22万5,391台。
ㅇ環境に優しい車の輸出は、前年同月比1.0%増加した5万3,174台、電気自動車(前年同月比25.3%増加)、HEV(18.2%減少)、PHEV(30.2%増加)
ㅇ完成車輸出額は、販売単価が高い電気自動車の輸出増加で前年同月代比19.8%増加した59億ドル記録。16カ月連続輸出増加
しかし、問題は内需です。
10月の内需は前年同月比2.1%減の14万1,349台。
国産車は新車効果(グレンジャーGN7、ソレント、コナSX2、サンタフェMX5など)の継続にもかかわらず、前年同期比1.4%減の11万6,863台、輸入車はアメリカ合衆国系、ドイツ系ブランドが減少し、前年同月比5.1%減の2万4,486台となった。
ㅇエコカー販売は前年同月比25.5%増の4万9,094台で、ソレント、サンタフェMX5、グレンジャー、スポーティーなどの国産ハイブリッドモデルと輸入車ハイブリッドモデルの人気でハイブリッドは79.3%増加、国産および輸入電気自動車の販売減少で電気自動車は前年同月比17.2%減少
エコカーは25.5%増なのですが、これにはハイブリッド車が79.3%も増加したのが効いています。ご注目いただきたいのは、電気自動車が対前年同期比で「-17.2%」となっていることです。
累計で見ると、2023年01~10月の韓国国内市場における販売量は13万665台です。2022年同期は「13万6,400台」ですから、対前年同期比で4.2%減っています。
Money1でもお伝えしているとおり、世界各国の市場で確かに電気自動車の増加幅は縮小しています。
失速が明らかになっていますが、それでも対前年同期比で販売台数が減少しているということはありません。
これはヘンです。
例えば韓国メディア『EV LOUNGE』は、「主要国のうち、前年比電気自動車の販売量が減少したほぼ唯一の国だ」と書いています。
韓国内の自動車市場で、明らかに電気自動車が失速しています。
上掲メディアでは「業界は、『景気低迷で内需販売が萎縮した中、比較的高価な電気自動車市場でその余波が大きく現れた』」とも書いています。つまり、韓国の皆さんは不景気でお金がなく、補助金が出るにしても割高な電気自動車を忌避しているのだ」という読みです。
(吉田ハンチング@dcp)