「お、趣きもありますけど、傾きもありますよね」――というお話です。
2022年後半から始まった半導体不況の影響で、韓国『SKハイニックス』の業績は大きく傾きました。
2023年(第3四半期まで)累計
総売上:21兆4,602億1,400万ウォン(-41.9%)
営業利益:-8兆763億4,700万ウォン(-192.6%)
当期純利益:-7兆7,580億9,700万ウォン(-229.8%)※( )内は対前年同期比の増減
⇒『韓国金融監督院 公示システムDART』公式サイト
上掲のとおり、2023年は第3四半期までで「営業利益:-8兆763億4,700万ウォン」です。
『SKグループ』も手元不如意に陥っていると見られます。しかし、半導体産業で生き馬の目を抜く戦いが繰り広げられており、新規投資を怠るわけにはいきません。後ろからは中国企業が必死で追いかけてきています。
たとえ手持ちの資金が乏しくても、どこかからお金を集めてきてR&Dに突っ込まなければならないのです。
Money1でもご紹介したとおり、2023年01月には『SKハイニックス』は25億ドル規模の外貨建て社債を発行しています。
5年物:10億ドル(2.75%)
10年物:7億5,000万ドル(3.10%)
小計:25億ドル
※( )内はスプレッドの金利
スプレッドは最大3.10%ですが、政策金利が上がっていますので実際の年利は7~8%になっているはずです。これは決して安い金利負担ではありません。しかも外貨建てです。
2023年01月03日、『Reuters(ロイター)』が『SKハイニックス』が10億ドル規模の社債発行に乗り出しているという記事を出しました。同記事は「ロイターが確認したタームシートによると、同社はこの取引に取り組む投資銀行8行を任命しており、契約期間は3年と5年となる可能性がある」と書いています。
⇒参照・引用元:『Reuters(ロイター)』「S. Korea’s SK Hynix aims to raise about $1 bln in dollar deal -sources」
『SKハイニックス』は業績が傾き、高金利下でも外国人投資家から資金を調達しなければならない状態に陥っていると見なければなりません。
『SKグループ』の崔泰源(チェ・テウォン)会長は「日本と韓国で巨大な市場を作ろう」などという妄想を語ることで有名ですが、この人の言説はたぶんにポジショントークなところがあります。
自分の会社・グループが傾いているからそんなことを言っているのではないのか?というわけです。
(吉田ハンチング@dcp)