2024年01月31日、韓国の企画財政部が「2023年の国税収入の実績(暫定)」を公表しました。
Money1でもしつこくご紹介してきましたが、国税収入が対前年期比で大きく減少し、その結果、韓国政府は中央銀行から短借したり、財政証券を発行したりの自転車操業に陥りました。
2023年通期で結局どれだけ税収が不足したか――を見てみましょう。以下が企画財政部が出したプレスリリースです。
いくらショートしたかといえば――、
2023年の国税収入:344.1兆ウォン
対前年比で……-51.9兆ウォン
対予算比で……-56.4兆ウォン
――です。
これも先にご紹介しましたが、国会の委員会では「いくらなんでもショートが過ぎる」というので問題視され、企画財政部が再計算、「23年通期で“対前年比で60兆ウォンのショートになるかも”という予測を出しました。
結局、そこまではいきませんでしたが、それでも大きなショートです。
なにせ2023年度の予算が「400.5兆ウォン」でしたから、なんと約14.1%も予算から少なかったのです。
このショートは韓国史上過去最大です。
そりゃ自転車操業にもなるよ――という話ですが、なぜこれほど少なくなったのかについて、企画財政部は、
国税収入の減少は、企業の業績の悪化や資産市場の萎縮などに起因する。
とはっきり書いています。
法人税:-23.2兆ウォン
譲渡所得税:-14.7兆ウォン
という凄まじさです。
不景気で業績が悪化し、韓国企業が納付する法人税収が減ったのです。また、譲渡所得税の減少は「不動産など資産市場の低迷」に起因します。
つまり、誰がどう見ても「2023年、韓国は大変に不景気だった」のです。なぜか日本では「韓国が不景気」という話は出ませんけれども、この不景気は今も続いているのです。
輸出の回復にうっすら光が射したように見えますが、油断はできません。「回復した!」は、回復してから言うべきです。また、引き続き「政府の財政がきちんと回るのか」にも要注意です。
(吉田ハンチング@dcp)