なんだか仲間うちの内紛にも見えますし、そもそも共同開発だったのではないのか――です。
韓国が国産と主張する次期主力戦闘機「KF-21」の件です。
↑01月12日に行われたKF-21が上昇角最大約70度で航行する実験飛行。YouTube『防衛事業庁』公式チャンネル
『朝鮮日報』に「インドネシアから韓国に派遣されていた技術者が、KF-21の情報を格納したUSBを持ち出そうとしたところを取り押さえられた」という記事を出しました。
以下に記事の一部を引用してみます。
(前略)
軍の関係者は「(インドネシアの技術者が)会社の外に出る際に検査台で摘発された」とし、「国情院と防衛事業庁、防諜機関などに通報し、現在調査機関で調査が進行中」と説明した。国家情報院と防諜機関などで構成された調査チームは、彼らが流出しようとした情報を確認しているという。
インドネシアの技術者たちは現在、出国が禁止された状態だという。
インドネシア技術者が正確にどのような資料を持ち出そうとしたのかは確認されていないが、彼らが流出しようとしたUSBにはかなりの量の資料が含まれていたという。
防衛事業庁の関係者は「インドネシアの技術者が確保したKF-21の技術資料は、戦闘機の目であるAESAレーダーなど抗戦装備が含まれているという報道が一部メディアで出ているが、現在調査中の問題で全く確認されていない状況」とし、「推測的な報道は控えてほしい」と述べた。
別の軍関係者は「現在までに軍事機密や防衛産業技術保護法に抵触する資料は発見していない」と話した。
(後略)
技術流出はさせなかった――となっています。どれだけの情報を持ち出そうとしたかは不明ですし、現在までのところ、軍事機密や防衛産業技術保護法に抵触する資料があったとは確認されていない――とのこと。
そもそもKF-21の開発計画は「インドネシアの参加」が「売り」でした。
2026年06月までに分担金を全部支払えば、試作機1機と各種技術資料が移転され、48機をインドネシアが現地生産できる。
だったのですが、インドネシアは途中からKF-21についてはあまり前向きではなくなりました。予算不足を理由に分担金の支払いを渋るようになり、現在までに約2,783億ウォンしか支払っておりません。
約1兆6,000億ウォンに減額されたと報じられましたが、それでもまだ1兆ウォン以上を支払っておりません。2026年06月という期限が近づいていますので、韓国側も焦っているものと見られます。
もっとも、韓国は韓国で2024年のKF-21関連の予算を減額しています。
理由は「成功する見込みが不明」というキッパリしたもので、「初期生産数を40機から20機に削減するべき」となりました。そもそもは、
その後、
2032年までに80機を追加量産
空軍に計120機を配備する
だったのですが、初期生産数が半減されたため、KF-21の先行きがますます不安なものになりました。インドネシアが参加に後ろ向きになっても仕方ありません。
もしかしたら、もらえるものは「今のうちに収集しとこう」という感じだったのかも……。
もっとも韓国からすれば「お金払ってからにしろ!」というのは当然でしょう。
(吉田ハンチング@dcp)