アイディアマンであるJ.W.ワイルダーが考案した指標(INDEX)「DMI」の続きです。DMIはマーケットのトレンドの方向性、その強さを測ろうとするものです。そのために「+DI」「-DI」「ADX」という3つの数値を求め、これを線で結んでチャートにします。
前回までは面倒くさい「計算方法」ばっかりでしたが、今回はその見方です。以下は任天堂(銘柄:7974/東証1部)のチャートです。いつもどおり、株マップ.comのクオンツチャートから引用しています。クオンツチャートは非常に出来の良いチャートですが、±DIとADXが重ねて表示される仕様になっていますので、ちょっと見にくいかもしれません。
※ツールによっては、「±DI」と「ADX」を分けて表示するものもあります。
水色のラインが「+DI」
赤色のラインが「-DI」
緑色のラインが「ADX」
です。それぞれの数値は、
+DI……上昇トレンドの強さを示す
-DI……下落トレンドの強さを示す
ADX……トレンドの強弱を示す
なのですが、3つのラインが複雑に上下していて見にくいですから、「±DI」だけを表示してみましょう。
ぐっと見やすくなりましたね。まず基本の見方です。水色の+DIが赤色の-DIを上回っているエリアは上昇トレンドの方が強く、赤色の-DIが水色の+DIを上回っているエリアは下落トレンドの方が強い、ことを示します。そして2本のラインが大きく離れていればいるほどほど、上昇・下落トレンドの勢いに差があることを示しています。
この任天堂の例(2016年12月06日-2017年03月03日)では、-DIのラインがほぼ全期間を通じて+DIのラインを上回っており、下落トレンドが続いていることが分かります。
■「±DI」を使った「売買サイン」の見方
次に「+DI」と「-DI」の2つのラインを使った売買サインです。上記の任天堂の例では下落トレンドばかりですので(笑)、他の銘柄に変更しました。モブキャスト(銘柄:3664/東証マザーズ)の2016年09月06日-2017年03月03日のチャートです。
+DIが-DIを下から上に追い抜いたポイント:買い時
+DIが-DIを上から下に追い抜いたポイント:売り時
というのが基本的な見方になります。ただし、筆者(バカ)は「売りのサインについては別のINDEXを参照した方が正確なのでは?」と考えております。
この±DIの売買サインを補強するために「ADX」のラインを利用します。次回はADXの使い方についてご紹介しましょう。
(吉田ハンチング@dcp)