途中にトピックの記事がはさまりましたが、J.W.ワイルダーが考案した指標(INDEX)である「DMI」の説明の続きです。DMIは、その銘柄について「売り」「買い」の趨勢がどのようになっているのか、市場の方向性を示すINDEXです。
前回は、
+DI……上昇トレンドの強さを示す数値
-DI……下落トレンドの強さを示す数値
の2つの算出方法をご紹介しました。両方とも100パーセント表示され、その数値が大きいほどそれぞれのトレンドが強いことを示します。
通常DMIは、これに加えて「ADX」という数値を計算して「+DI」「-DI」と併せて使います。面倒ですが、一応計算方法を知っておくとそのINDEXがどんな働きをするのかが理解しやすくなります。もう少しお付き合いください。
■ADXの計算方法
では「ADX」の算出方法を見てみましょう。
まず「DX」という数値を計算します。
DX = 「+DI - -DI」の絶対値 ÷ DIの合計(+DIと-DIの和)
式から分かるとおり、上昇と下落の強さの差を出して、それが株価トレンドの中でどのくらいの割合なのかを計算しています。つまりトレンドの強さを計算しているわけです。
このDXを、○日間の移動平均にしたのが「ADX」です。例えば、通常使われる「14日」であれば、14日分のDXを全部足して14で割れば、それがADXの数値です。この数値を線で結べばADXのラインになります。これは単純移動平均(SMA)を算出するときと同じ手法ですね。
通常証券会社などが提供するチャートでは、テクニカル分析で「DMI」を選択すると上記のような「+DI」「-DI」「ADX」の3本のラインが表示されます。
※株マップ.comのクオンツチャートより引用。
面倒くさい計算はやっとおしまいです。次回は「+DI」「-DI」「ADX」をどのように見れば良いのかをご紹介します。
(吉田ハンチング@dcp)