韓国「日本のマネをして株価を上げよう」無理です。

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読者の皆さまもご存じのとおり、日本市場では日経平均が上昇しており、4万円の手前まできました。

一方の韓国では株価が低迷しており、「日本をベンチマークだ」などの声が上がっています。韓国のベンチマークは「剽窃する」「パクる」ですので、これは日本のマネをして株価を上げようという主張です。

日本と韓国でどのくらい上昇率に差がついているのか、『Bloomberg』のチャートで見てみましょう。


↑直近1年間でNikkei225とKOSPIの比較。Nikkeiはオレンジのラインで1年間で42.91%の上昇。KOSPIは「5.98%」です。

韓国メディアからは「うらやましい」という記事が出ていますし、一方で「ただただ日本の上昇を見ているだけなのか」「政府は何をやってるんだ」などの声も上がっています。

韓国政府が非難されているのは、日本政府がPBR(Price Book-value Ratioの略:「株価純資産倍率」)改善などに取り組んで成果を上げているが、韓国政府は何をやっとるんだ――というわけでです。

日本のマネすれば「韓国だって株価は上がるのだ」といいたいわけです。

2024年02月26日、韓国政府は急遽「企業バリューアップ支援案」を発表しました(こういうのを付け焼き刃といいます)。

何を発表したかというと……以下をご覧ください。

韓国の「企業バリューアップ支援策」

●参加対象
自主参加
KOSPI-KOSDAQ上場企業対象
(指標関連勧告事項なし)

●公示方式
年1回、会社及び取引所のホームページに公示
企業統治報告書にも開示(該当企業)

●開示内容
会社の資本コスト、収益性、支配構造を把握して企業価値を診断する
(企業状況に適した指標を自律的に活用)

改善のための中長期目標(3年以上)を設定する
目標達成のための具体的な方案の説明
計画履行可否の評価と投資家のフィードバックの公開

●ペナルティー
ペナルティーなし
バリューアップへの参加をスチュワードシップ・コードに反映させ
間接的な強制

●インセンティブ
コリア・バリューアップ指数への組み入れ
税制支援策の策定予定
優秀企業表彰状授与及び税制支援の恩恵を受ける。
取引所公示優秀法人の評価加点付与

では、日本の措置はどのようなものだったのかというと……。

日本の「資本コストと株価を意識した経営措置」

●参加対象
自律参加
プライムスタンダード上場企業対象
(強制性はないが、PBR「1未満の企業」への参加を推奨)

●公示方式
年1回、会社ホームページ及び定期報告書に公示
企業支配構造報告書にも開示

●開示内容
会社の資本コスト、収益性、バリュエーションの現況評価
(企業状況に適した指標を自律的に活用)
取締役会が立てた改善目標(分かりやすく)を提示する
投資家のフィードバックを反映して計画修正

●ペナルティー
ペナルティーなし
参加企業名簿を発表し、未参加企業が注目される

●インセンティブ
JPX Prime150指数への組み入れ

そっくりそのママであることが分かります。

では、これを発表した後、KOSPIはどうなったかというと……(チャートは『Investing.com』より引用)。

スグに反応しないのは仕方がないと思われますが、正直、韓国市場はピンときていない感じです。

それも当然で、韓国政府は「日本企業の株価はバリューアッププランだけで上がったのではない」という事実を完全に無視しています。

日本がやってうまくいるんだから韓国だってできるはず――という妄想にも似た考えがそもそも間違っているのです。

例えば『南陽乳業』の監査役を務めるシム・ヘソプ弁護士は「日本証券市場は単にバリューアップ支援方策だけで生き残ったのではない。10年前からガバナンス改革を行い続けてきた基盤にバリューアップが加わったのだ」と述べています。

そもそも「値下がりするのがけしからん。空売りを全面禁止だ」と、まるで中国共産党のようなことをする市場など信用されるわけがありません(いまだに全銘柄空売り禁止を行っています)。

また、金融監督院のTopが「適法か適法でないかは関係ない。損失を補填しろ」などと、元本補償を金融機関に強要するような国に投資する人がいるでしょうか。この一事からも分かるとおり、韓国は金融行政においても法治国家ではないのです。

韓国は「日本にできるなら韓国もできる」という妄想を捨てることから始めてみてはいかがでしょうか。世界的にリスクオンに傾けば、韓国市場にも大きく資金流入するかもしれません。

(吉田ハンチング@dcp)

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