事実上の破綻によってワークアウトに追い込まれた、韓国第16位の施工能力がある(とされる)『泰栄建設』。
2024年03月13日、同社は「資本蚕食」に陥ったと公示しました。以下をご覧ください。
『泰栄建設』
総売上:3兆3,711億ウォン
営業利益:-451億ウォン
当期純利益:-1兆5,803億ウォン
営業利益だけなら「-451億ウォン」で済んでいますが、当期純利益では「-1兆5,803億ウォン」となりました。
ご注目いただきたいのは「資本総計」が「-5,626億ウォン」ものマイナスに転落したことです。
なぜ、こんなことになるかというと、PF事業所に対する保証債務、およびPF事業所の工事関連資産のうち回収が困難と予想されるものを計上した結果、大規模な損失が発生したのです。つまり「正直に計算するとこうなった」というわけです。
『泰栄建設』はワークアウトを申請して明らかになりましたが、他の建設会社のバランスシートの内訳も「正直に精査すれば」――実はひどいことになっている――ということがありそうです。
廃業数だって増えていますし、韓国の建設会社の内幕はかなりよろしくないと考えられます。
というわけで、韓国取引所は『泰栄建設』の株式を2024年03月14日より「取引停止」としました(チャートは『Investing.com』より引用)。
資本蚕食が上場廃止事由と判断されたからです※。毎度おなじみの『産業銀行』がバックについて、企業再生を金融当局、債権団と共に協議しています。
※「資本蚕食50%以上または売上高50億ウォン未満の事案発生」要件に抵触します。2023事業年度事業報告書提出期限日(2024.04.01)までに同事由解消事実を立証する資料を提出できない場合には、有価証券市場上場規定第48条により上場廃止基準を満たし、上場廃止が確定します。
『泰栄建設』がどうなるか、また他の建設会社が同様の事態にならないか、ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)