日本ではあまり報道されませんが、韓国の実体経済は非常に悪い状態です。「アジア通貨危機」「韓国通貨危機」よりも状況は良くないという認識が広まりつつあります。
このままでは韓国の基幹産業が枯死するという嘆きが韓国メディア『韓国日報』から出ています。そのタイトルも「『生きるか死ぬか…連鎖倒産は時間の問題』へたり込む基幹産業」というもので、韓国の自動車産業、鉄鋼業、造船業、石油産業についての状況をリポートしています。
ちなみに韓国の基幹産業は、文在寅大統領が(なんの役にも立たない)「基幹産業基金」をぶち上げる際に挙げた「航空」「海運」「機械」「自動車」「造船」「電力」「通信」の7業種ということになっています。
同記事の注目ポイントは、『現代自動車』などを支えてきた下請けの中小企業がモノを作れないために枯死しようとしているという点です。
韓国経済を支える輸出産業――これは製造業ばかりなわけですが、その製造業の稼働率が著しく落ちている点です。世界的に需要が減っているためにモノが作れないのです。
(「韓国通貨危機」時2009年01月時点での製造業の稼働率:62.8%)
ですので、すでに「韓国通貨危機」時に匹敵するところまで追い込まれてました。その後07月には「70%」まで回復したのですが、景気が戻ったわけではないので、つまり停滞したままということです。これが同紙の記事タイトルにもなっている「へたり込んだ」の意味です。
同記事から一部を以下に引用します。
国内製造業の生産の13%を占める自動車産業では、何よりも中堅及び中小部品業界の状態が深刻だ。
『自動車産業連合会』が部品業界上場企業84社を調査した結果、上半期の営業利益は、前年7,491億ウォンから今年は-845億ウォンで赤字に転じ8,300億ウォン以上減少した。
(中略)
鉄鋼業界によると、『ポスコ』の今年上半期の工場稼働率は83.3%で、前年同期比6.4%ポイント下落した。同じ期間、現代製鉄の工場稼働率も82.3%を記録、前年同期比9%ポイント下落した。
『全国経済人連合会』が昨年ベースの売上高上位100社の公示資料を分析した結果を見ると、今年第2四半期、これらの企業の海外売上高は、前年同期比19.8%急減した146兆3,000億ウォンだった。
このうち、鉄鋼業種は海外売上高が80.1%減、業種の中で最も大きな下げ幅を見せた。
(中略)
国内「造船業のメッカ」として知られている慶尚南道統営と巨済市地域では、新しい所有者を探す造船業下請け業者の工場の物件があふれている。
石油化学業界の中小企業も生存のために必死にもがいている。(中略)自動車腐食防止フィルムメーカーの代表B氏は、「国内の自動車業界の輸出が悪化し、売上高が下がる落ちた」とし「一カ月のうちの工場を回し日が10日程度に過ぎない」と吐露した。
(後略)⇒参照・引用元:『韓国日報』「『生きるか死ぬか…連鎖倒産は時間の問題』へたり込む基幹産業」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
このように基幹産業を支えてきた中小の下請け企業が死に向かっている状況なわけですが、同記事は最後に出てきたBさんの以下のような言葉で締めています。
「有名無実な支援策だけしか出さない政府には正直期待していない」と舌打ちをした。
基幹産業を救うとしてぶち上げた「基幹産業安定基金」は現在に至るも(『アシアナ航空』を救うと表明した以外)何もしていません。Bさんが舌打ちするのも無理はありません。
ですので、韓国の基幹産業はまさに裾野から立ち枯れようとしているのです。
(柏ケミカル@dcp)