ELSについて「投資の損失を銀行が補てん」するという、世にもあほらしい事態となった韓国。世界中の先進国から「ばっかじゃないの」といわれるほどの失態です。
先にご紹介したとおり、損失補てん、韓国では「賠償」と呼ばれていますが、このばかみたいな事態が進行したら銀行の利益が毀損されることになるぞ――と信用格付け会社は警告していました(詳細は以下の記事を参照してください)。
『Fitch(フィッチ)』、『Moody’s(ムーディーズ)』共に、「ELSの損失補てんを行えば、金融機関の収益性が悪化し、それはレーティングの引き下げを招くだろう」という主旨の文書を公表しました。
金融機関のレーティングが下がるということは、ソブリン・リスクにも直結する可能性があります。当たり前です。その国の金融当局がばか丸出しの施策を行い、そのせいで金融機関の利益が飛んだ!なんて話になれば、政府および金融当局がばかと認識されます。
それなら「あの国にはお金を投資しない方がいい」と信用が下がっても、むしろ当然です。
↑金融監督院の李卜鉉(イ・ボクヒョン)院長。新任で張り切ってしまった、この目のイッたオッサンがELSを販売した金融機関に圧力を掛けました。嫌な言葉ですが「戦犯」を1人挙げろといわれたらこの人です
金融機関の業績がどうなったかというと――もう結果(2024年第1四半期)が出ています。
韓国の4大金融ホールディングカンパニーが純利益を飛ばしました。以下がそれぞれ純利益が「減った額」と「対前年同期比での減少率」です。
当期純利益と減少率
『KB金融』(『国民銀行』):1兆491億ウォン(-30.5%)
『新韓金融』(『新韓銀行』):1兆3,215億ウォン(-4.8%)
『ハナ金融』(『ハナ銀行』):1兆340億ウォン(-6.2%)
『ウリィ金融』(『ウリィ銀行』):8,245億ウォン(-9.8%)4大グループ当期純利益合計:4兆2,291億ウォン(-13.6%)
当期純利益は「-13.6%」と大きく減少しました。これは、本来支払う必要のない「賠償金」を計上させられたお陰と見られます。対前年同期比で減少した当期純利益の額は「6,657億ウォン」です。
ちなみに賠償額というのは、以下のようになっています。
各グループに背負わされた賠償額
『KB金融』:8,620億ウォン
『新韓金融』:2,740億ウォン
『ハナ金融』:1,799億ウォン
『ウリィ金融』:75億ウォン小計:1兆3,234億ウォン
『KB金融』が大きいのは、ELSを多く販売していたからです。上掲のとおり、減少した当期純利益の金額は「6,657億ウォン」で、科せられた賠償額は「1兆3,234億ウォン」ですから、(これがウソではない正直な数字だとすると)4大グループは頑張って賠償額よりも稼いだわけです。
問題は、被害者と称する輩が「被害を受けた全損失額を補てんしろ」と騒いでいることです。もし、また金融監督院が阿ったら、銀行の利益はもっと減ることになるのです。
これが原因で世界中の投資家が、『Fitch(フィッチ)』『Moody’s(ムーディーズ)』の意見に共感し、「ばっかじゃねえの」「韓国ってそんな国なの」(そんな国なのです)とお金を引き上げたらどうするつもりなのでしょうか。
――というわけで、韓国は傑作な事態に陥っています。しかし、これは自業自得であり、韓国金融機関のばかさゆえの結果です。
(吉田ハンチング@dcp)