2024年08月02日、韓国国会で「2024年民生回復支援金支給のための特別措置法」が、最大野党『共に民主党』の賛成多数で可決しました。
↑2024年08月02日、韓国の臨時国会で上記「特別措置法」が可決しました。『国民の力』議員は参加しなかったため、出席187人、賛成186人・反対1人で通過したのです。
与党『国民の力』は、「13兆ウォンのお金をまく法律だ」と批判し、評決には参加しませんでした。
立法の主旨は「家計所得の増加を通じて消費を活性化し、小規模事業者の売上を向上させ、内需および景気を回復させること」と明記されています。
たたし、給付するのは現金ウォンではなく、「地域通貨」で住民の住む対象地域でしか使用できません(つまりはクーポン券)。
地域通貨というのは、『共に民主党』の実力者、李在明(イ・ジェミョン)さんのアイデアを入れてのこと※。
※李在明(イ・ジェミョン)さんは地域通貨を使って基本所得(ベーシックインカム)を給付しろと主張してきました。
支給対象は住民登録法による住民で、これに結婚して韓国に移民した人、永住権者、難民で、長期国外滞在者と拘留施設に収監された者(つまりは犯罪者)は除かれます。
支給金額は25~35万ウォンで、大統領令によって所得水準に合わせて決定されます。
現金化やいわゆる商品券換金の懸念があるため、この民生回復支援金は一切のウォンへの交換が禁止されています。
使用期限は4カ月以内ですが、ただし、「自身の意図とは関係なく国家の呼びかけにより住民登録地から遠く離れた場所に住んでいる若者」は、例外的に使用期限を2年に延長することが可能です。
これは、要するに「兵役に就いている若者」に対する配慮といえます。
李在明(イ・ジェミョン)さんは大統領選挙候補者だったころから、ベーシックインカムを主張してきましたが、とうとう国会で法律を通してしまいました。ある意味、大したオッサンです。
やるだけやってみよう!
法律が可決しましたので、執行を止めるには大統領の拒否権発動しかありません。
韓国では、国会で可決した法案に大統領が拒否権を発動した場合、国会へ差し戻しになります。これを再度可決するには、過半数の議員の出席の下、出席議員2/3以上の賛成が必要です、
しかし、さすがの最大野党『共に民主党』も2/3の議席を有していませんので、拒否権発動後には通過させることはできません。
現在、韓国は非常な不景気ですので、政府がお金を出して民間にお金を回さなければなりません。こ態度は正しいです。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領も正面切って拒否権を行使するのは難しいといえます。仮に拒否権を発動すると「民生を考えない大統領だ」という非難を浴びること必至で、『共に民主党』はそのような動きをするでしょう。
またぞろ、「民生を省みない検察独裁の尹錫悦(ユン・ソギョル)政権を倒せ」です。ばかばかしい話です。
さすが悪巧み巧者の李在明(イ・ジェミョン)さん、いい手です。
韓国政府の側では、『共に民主党』の単独可決ということで、民主的な手続きを経ていないとして、「脆弱階層の生計安定のために基礎生活保障制度を強化し、計25兆ウォン規模の小商工人・自営業者総合対策を通じて、経営条件に応じたカスタマイズ支援も実施する予定」としています。
つまり、13兆ウォンの地域通貨など出さなくても、それより大きな規模の支援を行います――というわけです。
いずれにせよ、問題は韓国政府にお金がないことです。
13兆ウォンをまく余力などありません。そのため、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がもしこの特別措置法の施行することをそのまま許すなら、韓国政府は負債をさらに積むことになるでしょう。
李在明(イ・ジェミョン)さんは、もし自分が次の大統領になったら……を考えるべきかもしれません。政府負債がさらに増えた政府を自分が引き受けることになるのですから。
当然、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)などから、「あんたの国の為政者は何やってんの? 政府負債を減らすって言ったよね」と面罵されることにになるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)