先記事でご紹介した、韓国の政府負債についての「続き」のような話です。
韓国政府が国税収入が減少しており、政府予算を回すことが困難になっています。
キャッシュフローを回すためにはどこかからお金を入手しなければなりません。資金の手当には以下の手段があります。
●国債の発行
●財政証券の発行
●中央銀行からの短借
「国債の発行」には予算(発行予定)がありますので、これを超えることはできず、短期資金の場合には財政証券が使われます。しかし、これでも回らないので、韓国政府は中央銀行である『韓国銀行』からの短借に頼るようになっています。
2024年01~06月累計で、韓国政府は『韓国銀行』から「91兆6,000億ウォン」を借りています。また、政府が『韓国銀行』に支払った利払い額は「1,291億ウォン」。
中央銀行から直接お金を借りるなどということを行っている政府は(曲がりなりにも先進国というのなら)韓国ぐらいなもので、これは非常に格好の悪いことです。「そんな先進国はねーよ!」なのです。
このように深刻な収入不足なので、韓国政府は「外国為替平衡基金」にも手をつけました。
↑外平債の発行は負債(返済しなければならないので債務)を積むことになりますが、これに対応する資産となります。つまり、外平債の発行によって外貨準備は増えることになります。この資金を使うということは負債側に対応する資産(外貨)を使うことになるのです。これによって金融性負債が赤字政府債となります。
「外国為替平衡基金」は、為替介入の資金を調達するために発行する「外国為替平衡基金債券」(略称「外平債」※)を通じて入手した資金(外貨)を積んでおくところです。
※かつては別立てになっていましたが現在は国債と同じ扱いになっています。
この資金は「いざ為替介入」というときに使うためのものです。
ここから資金を引き出して収入不足を補うことまで行っています。これによって、韓国政府は赤字性債務を増やすことになりました。
企画財政部が国会に提出した「2024~2028年国家財政運用計画」によると、2025年の赤字性債務は「883兆4,000億ウォン」になる――となっています。これがどのように増えるかというと――以下をご覧ください。
2027年には「1,024.2兆ウォン」と1千兆ウォンを超えます。
韓国政府の財政は持続可能性が問われる局面に差し掛かってるといえるのではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)