2024年10月07日、『韓国銀行』が「2024年08月の国際収支統計」を公表しました。
以下が経常収支です。
貿易収支:65億9,380万ドル
サービス収支:-12億3,170万ドル
第1次所得収支:16億9,020万ドル
第2次所得収支:-4億5,700万ドル
経常収支(上記4つの合計):65億9,530万ドル⇒データ出典:『韓国銀行』公式サイト「ECOS」
貿易収支の「65億9,380万ドル」と経常収支の「65億9,530万ドル」がほとんど同額ですから、サービス収支・第1次所得収支・第2次所得収支がほぼ「イッテコイ」になっているわけです。
貿易収支が十分に大きくないと韓国は国が傾くようにできており、いまだにそれは続けています。
韓国メディアでは「経常収支が4カ月連続の黒字」※と書いていますが、そうでないと国が傾くので別にとりたてて騒ぐことではありません。当月は約66億ドルのプラスです。
※04月は例の「残酷な四月」のせいで赤転したので、05月~08月の期間経常収支黒字。以下の先記事などをご参照ください。
当月の経常収支に特に面白い点は見当たりませんが、金融収支の証券投資に注目したいポイントがあります。
「負債の部」が示す「外国から韓国の株式(Equity securities)にいくら資金が入ったか」です。以下をご覧ください。
↑2024年08月、突然にマイナスになりました。これはキャッシュアウトを示しています。
上掲のとおり、外国人投資家は2024年01月から順調に韓国株式市場に資金を入れていたのですが、08月になって突然お金を抜きました。「-15.4億ドル」です。
KOSPIを、ローソク足1本が1カ月の値動きを示す「月足」にしてチャートを見ると以下のようになります。
08月は長い下ヒゲが出ています。安値はなんと「2,386.96」です。始値が「2,787.27」ですから、一時はなんと約14.4%も下げたわけです。
この下げには上記の外国人投資家による資金逃避が大きく影響したものと見られます。
というわけで、韓国の金融というのは非常に脆弱なものなのです。
株式市場のことはともかく、韓国の企画財政部は「輸出が回復して好調」と述べていますが、先からご紹介しているとおり、半導体頼みになっていますので、どこまで好調と言い続けられるのかは不明です。
尹錫悦(ユン・ソギョル)政権としては、どうせ経済が傾くなら、左派・アンポンタン政権になってからにしてくれ――なのでしょうが、そのようにうまくいくかは誰にも分かりません。
(吉田ハンチング@dcp)