小ネタかもしれませんが、韓国で大変に興味深い事件が起こっています。
2022年04月30日、韓国5大銀行の一つ『ウリィ銀行』のA職員が逮捕されました。
A職員には、驚くなかれ614億ウォン(約61.4億円)の横領の疑いがかけられています。
A職員は会計監査を担当しながら、2012年10月12日、2015年09月25日、2018年06月11日の3回に渡って614億5,214万6,000ウォンの資金を横領した、とされています。
2012年ですから、なんと10年も横領が発覚しなかったことになります。
A職員の実弟の事業にも横領した資金の一部が流れていたとして、この実弟も逮捕されています。横領した資金のうち、A職員が500億ウォン、実弟が100億ウォンほどを使用した見られています。
韓国の5大市中銀行といえば韓国では(一応)格式のある銀行で、日本でいえば『みずほ』『三菱UFJ銀行』『三井住友銀行』『りそな銀行』『埼玉りそな銀行』の都銀に当たります(規模は全然違いますが)。
ですから、その5大銀行の一つである『ウリィ銀行』で614億ウォンもの横領事件があり、しかも10年も誰も気付かなかったというのは大スキャンダル。満天下にヘッポコぶりをさらしたことになるのです。
ですので、この横領が決算・監査をなぜくぐり抜けることができたのか、また銀行を監督すべき金融監督院がなぜチェックできなかったのかが大問題になっています。
「誰が見逃したんだ」「もしかして意図的なスルーがあったんじゃあるまいな」――というわけです。
そのため、銀行の担当役員、『ウリィ銀行』の監査を担当した外部監査法人、さらには金融監督院などにも調査が拡大しています。
チェック過程のどこがダメだったのか、これからの調査で明らかになると思われますが、それにしても巨額の横領です。他の5大銀行も「おい、まさかウチでも調べると出てくるんじゃあるまいな」と戦々恐々かもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)