『韓国銀行』は毎月「外貨準備」を公表しており、それについてはMoney1でもその都度ご紹介しています。
先日、『韓国銀行』から公表された「06月末国際投資対照表(暫定)」についてご紹介しました。その記事では、韓国の対外短期債務が増加した(1年以内に返済しなければならない借金が増加した)件について取り上げました。
今度は「対外資産(external assets)」の部です。実に不思議なことがあるのです。
以下はその付表2です(これは飛ばしていただいて大丈夫です)。
⇒データ引用元:『韓国銀行』公式サイト「国際投資ポジション(2020年6月末)」
以下に一部を拡大します。
対外資産の部で、セクター(Sector)別のところに中央銀行、すなわち『韓国銀行』の保有する対外資産の額が掲載されています。
また、タイプ(Type)別のところに「Rserve assets(準備資産)」として対外資産の額が掲載されています。
この「Rserve assets(準備資産)」は、『韓国銀行』が毎月公表してきた「外貨準備(Official Foreign Reserves)の金額と一致しますので、これが外貨準備です。
念のために以下に、『韓国銀行』が発表してきた外貨準備高の推移を掲載します。
赤字の数値が上掲の「Rserve assets(準備資産)」と一致していますので、これは外貨準備に間違いありません。
で、『韓国銀行』が保有する「対外資産」と「外貨準備高」を分かりやすいように並べてみます。以下です(表組は横にスクロールできます)。
2019年09月 | 2019年12月 | 2020年03月 | 2020年06月 | |
韓国銀行 | 4,047億ドル | 4,102億ドル | 4,016億ドル | 4,122億ドル |
外貨準備 | 4,033億ドル | 4,088億ドル | 4,002億ドル | 4,108億ドル |
差額 | 14億ドル | 14億ドル | 14億ドル | 14億ドル |
『韓国銀行』が保有する対外資産から14億ドルを引くと、なぜかぴったり韓国の外貨準備に一致するのです。
もちろん「外貨準備」というのは、通貨当局の管理下にある外貨資産ですから別に『韓国銀行』が保有する対外資産とほぼ一致しても不思議ではありません※。
しかし、なぜぴったり14億ドルを引いたものが外貨準備高と一致するのでしょうか? この14億ドルは一体なんなのでしょうか?
こういう疑問が湧きます。ちゃんと計算してます?
これは偶然でしょうか?
※ただし「流動性の高いものであること」という観点からすると疑問は残ります。保有する対外資産の全部が全部流動性が高いとは考えられないからです。
(柏ケミカル@dcp)