ついに「来るべきものが来た」――そんな感じです。中国の半導体企業が韓国企業を猛追しています。
韓国は「半導体強国!」と誇っていますが、これはメモリー半導体に関してであって、システム半導体の方はさっぱりです。したがって、メモリー半導体の技術が中国に追いつかれてしまうと、毎度のことですがもはや韓国企業には勝ち目はありません。
安値の叩き合いになったら、中国企業には絶対に勝てないからです。
『CXMT』がメモリー半導体の生産を拡大
韓国半導体企業、『サムスン電子』と『SKハイニックス』を追っているのが、中国『CXMT』などの半導体メーカーです。
日本では一般にあまり知られていないかもしれませんが『CXMT』の躍進ぶりは注目に値します。『CXMT』は、「ChangXin Memory Technologies」の略称で中国名では『长鑫存储技术有限公司』といいます。
2016年に「DRAM」製造ベースプロジェクトを立ち上げて創業。2017年03月にファウンドリー建設のための第一期工事に着工し。2018年01月に設備搬入を開始。2018年07月にはウエハーの生産検証おとび8GB DDR4のサンプルを試作。
現在、17nmおよび18nm DDR4とLPDDR4製品を主力とし、さらに12nmのDDR5とLPDDR5Xの開発も進めています。これらの新製品の投入により、特にスマートフォンや消費者向けエレクトロニクス市場での需要増加に応じて、業績の伸びが期待されているところです。
『TrendForce』のリポートによると、ウエハーの製造が2022年に月産7万枚、2023年に12万枚に急増させており、2024年には20万枚に達すると予測されています。
『CXMT』は中国における最大のDDR製造メーカーとなり、その生産量は現在市場の約5%に達する(『TrendForce』)ようになっています。また同社はHBM(高帯域メモリー)の開発・製造にも向かっています。
つまり、韓国の『サムスン電子』と『SKハイニックス』を直撃するコースで進んでいるのです。
『CXMT』の進撃が続くと、メモリー半導体にも中国の「過剰生産性」が及ぶでしょう。何が起こるかと言えば、価格の低下と収益性の悪化です。その悪影響を受けるのは、間違いなく韓国の『サムスン電子』と『SKハイニックス』です。
韓国が半導体強国なんていっていられるのはあと何年でしょうか。「おしまい」は意外と早いかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)