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中国「固定資産税」導入へ! えっ!なかったの!?

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ナニが話し合われたか外部からはよく分からない中国の「中央経済工作会議」。出てきた情報の一つに「固定資産税を2020年から徴収開始か?」という観測があります。

「えっ! 中国って固定資産税がないの?」と思われるかもしれませんが、実はこないだまでなかったのです。不動産バブルが今にはじける!なんていわれるほど、不動産価格が高騰している国なのですが、現在は個人については固定資産税の納付制度はありません(上海市と重慶市を除く:後述)。

固定資産税」は、簡単にいえば「土地、家屋の保有に課せられる税金」です。

※正確には、土地・家屋・償却資産を総じて「固定資産」と呼びます。この固定資産を「保有」することに課せられる税金が「固定資産税」です。

中国では「房産税」といいます。その固定資産が「個人用」なのか「事業用」なのかで課税は分けられています。

事業用の場合には中国全土で適用されていますが、個人用の場合には2011年に上海市・重慶市で実験的に導入されたにとどまっています。この個人用の課税を全国に拡大し、「2019年いっぱいは全土を調査するのにかかるだろうから、実施は2020年からになるのでは」という観測が出ているわけです。

ただし、上海・重慶の両市ですでに導入されている個人の固定資産税を、実際に支払っている人は少ないのが現実です。これは支払義務に例外規定が多くあることも原因ですが、「そもそも共産主義国家・中国では、土地は国のもの(または農民の集団所有)であり、人民は住宅購入時に70年の使用料を支払っている」という意識がある点も大きく影響しています。

使用料を支払って、その上「そもそも許されていない『保有』についての税金が掛かるってなんだよ!」というわけです。保有という概念をもとにした税金の立て付けが、共産主義国家の理念に合わないのです。

固定資産税の全土での導入については「住宅バブルを抑制するために」という意識があるのは確かです。しかし、上記のとおり国家の理念と税金の立て付けが合わないわけですから、「不払い」「支払拒否」などを起こされないために、何らかの調整が必要となるのではないでしょうか。

(柏ケミカル@dcp)

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