2024年12月03日、人民元安が急進しました。以下は19:46現在のオフショアのドル人民元の日足チャートです(チャートは『Investing.com』より引用:以下同)。
オフショアでは高値「1ドル=7.3148元」と、すでに「7.3元」に掛かっています。
次にオンショアのドル人民元です。
こちらはまだ7.3元に達してませんが、ギャップアップしてコマ足になっています。
元安はさらに進行するという見込みが強くなってきました。
――というのは、トランプさんがいよいよ来月からアメリカ合衆国大統領に再登板するからです。すでに「トランプ大統領はこうする」という情報がいろいろ出ていますが、実際に「中国に対して大幅な追加関税を賦課する」ことになると、中国は「輸出」に対して大打撃を被ることになるでしょう。
これまで中国経済の発展を支えてきた三つ首は、
●不動産市場 ⇒ 壊滅状態
●内需 ⇒ 壊滅状態
●輸出 ⇒ 「回復してきた」と強弁
という状態です。キングギドラの2つの首はもはや死に体であり、最後に残った首・輸出も病み上がりのような状態です。
中国はなんとしても輸出を維持しなければなりません、そのため中国の外為当局が人民元安に誘導する可能性があります。人民元安を進めることで、輸出価格を引き下げ、関税の悪影響を相殺しようとする――というシナリオです。
ただし、これを行うことは「自国通貨安に誘導すること」であり、アメリカ合衆国財務省から制裁を食らう可能性があります。
しかし他に良さそうな手は見当たりません。国内の過剰生産性を輸出で外国にぶつけないと、もはやお金を回すことができなくなっているからです。
外信がかねてより伝えているとおり、どこかのタイミングで人民元の切り下げに踏み切る可能性が出てきたのではないでしょうか。
ただし、切り下げを行うと資本流出が加速する可能性があります。この場合、外貨準備が乏しいと、切り下げ後の資本流出を抑えることが困難になり、一挙に債務不履行に陥るかもしれません。
中国は金融においてギリギリのところです。
(吉田ハンチング@dcp)