アメリカ合衆国メディア『The Hill』が2025年08月15日に興味深い記事を出しています。
「South Korea’s anti-American president is coming to Washington」(韓国の反米大統領がワシントンにやって来る)というタイトルです。
『ザ・ヒル』は合衆国議会、ホワイトハウス、連邦政府機関の動きを中心に報道を行うメディアですが、ご注目いただきたいのは同記事のクレジットです。

↑「anti-American president(反米大統領)」とはっきり書いてあります。
記事の執筆者は「by Gordon G. Chang, opinion contributor – 08/15/25 9:30 AM ET」となっています。
この「Gordon G. Chang(ゴードン・G・チャン)」さんは、弁護士・評論家・著述家で、中国関連の論客として知られる人物です。
中国共産党体制を非常に批判的に捉えている人で、経済・人口動態・政治的抑圧・外交的孤立などを理由に「持続不能」とします。
また、台湾への圧力や南シナ海問題にも厳しい立場を取り、合衆国の対中強硬策を支持。北朝鮮に関しても、中国と一体の脅威と見なし、警戒を訴えつ人です。
同記事から興味深い部分を以下に引きます。
(前略)
今年、同国は日本による支配の終焉から80周年を祝った。同時に、大韓民国、すなわち韓国の建国77周年の記念日でもある。今年の群衆は特に大きかった。というのも、06月03日の大統領補欠選挙での李在明(イ・ジェミョン)の勝利の直後に行われたからである。
この選挙は広範な不正に汚され、昨年12月初めの短命な戒厳令宣言の後に弾劾・罷免された尹錫悦(ユン・ソギョル)を代えるために実施されたものであった。
首都での競合する集会は、李の人気を測る早期の試金石となった。これまでのところ、彼は特に分裂を招く人物である。
デモ直後、李は08月24日から始まる訪米に向けてワシントンに向かうと伝えられている。
ドナルド・トランプ合衆国大統領との08月25日のホワイトハウスでの会談は、米韓の指導者間で史上最も重要な会談の一つとなり得る。
李は猛烈に反米的である。
したがって、賭けられているのはワシントンとソウルの同盟関係の未来である。
韓国の民主主義もまた危機に瀕している。
李は「民主的統治」の名の下に、それを終わらせるための迅速な措置を取っている。
公の場では合衆国に歩調を合わせているが、李は自国の合衆国とのパートナーシップの根本的基盤――すなわち朝鮮戦争休戦から数カ月後の1953年に結ばれた正式な軍事同盟――を弱体化させる行動を取ってきた。
2021年07月、『共に民主党』の大統領候補指名を争う選挙活動中に、李は自国に駐留する米軍を「占領軍」と呼んだ。
さらに衝撃的なことに、彼は米国が日本の韓国植民地化を維持したと非難した。
李の左派政党「共に民主党(Minjoo)」は、ワシントンとの緊密な関係に反対し、北京(中国)や平壌(北朝鮮)との関係を積極的に築いてきた歴史を持つ。
李は大統領として、米国との関係を削り取ることに時間を無駄にしなかった。
例えば、軍事即応態勢を低下させる動きとして、月曜から始まる予定であった年次合同演習「乙支フリーダム・シールド」は大幅に縮小される――特に10日間のイベントの重要な野外訓練部分が削られる。
(中略)
08月07日、統一部のある高官は匿名で記者団に対し、演習が「北朝鮮の反応に関する懸念のために調整された」と認めた。
さらに深刻なことに、07月21日、李政権は駐韓米軍と韓国空軍が共同で運営する烏山空軍基地に対して強制捜査を行った。
具体的には、曺銀錫(チョ・ウンソク)特別検察官が米韓両軍が運営するマスター管制・報告センターに立ち入り、在韓米軍に事前通知なく入ったため地位協定(SOFA)に違反した。
曺は機密のレーダーデータや米空軍のU-2偵察機に関する情報を押収した。
(中略)
この強制捜査の後、少なくとも2件の米韓間の高官交流が中止された。
最初は7月21日に予定されていた国務長官兼国家安全保障補佐官マルコ・ルビオと韓国国家安保室長・魏聖洛(ウィ・ソンラク)の会談であり、次は「2+2」通商会議であった。
韓国側代表団は渡米のため飛行機に搭乗しようとした直前に、会談中止を知らされた。
李大統領はまた、韓国の民主的諸制度にも攻撃を加えてきた。彼は一院制議会である国会において、尹政権を麻痺させるために22件の弾劾案を提出する取り組みを主導した。
李は12月03日の戒厳令宣言を理由に尹を弾劾する努力を率いた後、その弾劾権限を用いて韓悳洙(ハン・ドクス)代行大統領の暫定政権を不安定化させた。
憲法裁判所は尹を罷免した後、李は尹を「内乱」という根拠のない罪で投獄した。
「李とその政党は内乱という虚偽の物語を作り出した」と、合衆国のグローバル刑事司法担当前大使モース・タンは今月私に語った。
李政権は尹を非人道的な条件下で拘禁している。
「共に民主党は炎暑の中、小さな独房に尹を収監し、薬を与えることを拒んできた」と、現在東アジア研究センターに所属するオーは私に語った。
尹が拘禁中に死ぬのではと懸念する声もあるが、与党は気にかけていないようだ。
「たとえ生きていても獄中で生きるべきであり、たとえ死ぬとしても獄中で死ぬべきだ」と、『共に民主党』の金炳基(キム・ビョンギ)院内代表は語った。
(中略)
合衆国はかつて韓国の左派・反米的な大統領――具体的には金大中、盧武鉉、文在寅――を経験してきた。
ワシントンには、合衆国は李在明も同様に耐えられるだろうという感覚があるようだ。
恐らく米国は耐えられるだろう。
だが李は前任者らとは異なり、より断固としており冷酷である。
米韓同盟は李の支配下では存続できないかもしれず、韓国の民主主義はさらに大きな危険にさらされている。
⇒参照・引用元:『The Hill』「South Korea’s anti-American president is coming to Washington」
チャンは非常に正確に韓国を見ています。
光復節を「韓国の建国77周年の記念日」とする記載にもそれが表れています。
つまり韓国の建国は1948年としているわけで――、
韓国の左派・進歩系が主張する「現在の韓国政府が臨時政府に連なるものであり、韓国の建国は1919年だ」というウソの歴史観も一蹴しています。
また「公の場では合衆国に歩調を合わせている」と、李在明(イ・ジェミョン)政府が猫をかぶっていることも見抜いています。
米韓の共同演習「乙支フリーダム・シールド」(毎年行われる)が今年は縮小されたことについて、「北朝鮮の反応に関する懸念のために調整された」と統一部の匿名ソースから言質を取った――としている点は特に注目されます。
また、韓国政府が追い使う「特別検察」が、地位協定を無視して在韓米軍に事前通知なく入り、「機密のレーダーデータや米空軍のU-2偵察機に関する情報を押収した」というのは、日本ではあまり報道されていないでしょう。
日本人もアメリカ人も、現在の韓国政府が何をやっているのかをもっと知るべきです。
また尹錫悦(ユン・ソギョル)前大統領に対して、内乱捜査の名の下にいかに非人道的な扱いをしているのか――は広く国際的に知られるべきでしょう。
天性のウソつき、前科四犯の、大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんは「光の革命」などと主張していますが、チャンさんは「民主主義の危機」と指摘しています。
さて、この反米大統領はワシントンでどのように迎えられるでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)






