2025年10月14日、『IMF』(International Monetary Fundの略:国際通貨基金)は「GLOBAL FINANCIAL STABILITY REPORT(グローバル金融安定報告書)」をリリースしました。

この『IMF』リポートでは、水面下で進行していることにもっと注目すべきと懸念を表明しています。『IMF』のFinancial Counsellor and Director of the Monetary and Capital Markets Department(財務顧問および金融・資本市場局長通貨・資本市場局長)であるTobias Adrian(トビアズ・エイドリアン)さんは、
「この数カ月、グローバル市場は持続的な不確実性にもかかわらず平穏に見えた。
しかし、水面下ではわれわれは微妙な変化を目撃しており、これらの変化が慎重に管理されなければ金融システムの回復力を弱める可能性がある」
――と指摘しています。
具体的には以下の3点を指摘しているのです。
❶ファンダメンタルズを超えた資産価値の高評価
❷少数のテクノロジー株に極端な集中
❸市場を支える巨額の流動性
これらが現在グローバル金融市場を支配している「Complacency(慣れ・安心・油断)」の基になっており、これらがずっこけたら――「大変困ったことになる」、だから慎重に管理しなければならないといっています。
韓国は大丈夫なのか?……という問い
――このリポートを受けて、韓国メディア『韓国経済』は記事を出しているのですが、最後の部分が注目の値します。以下に記事から一部を引用します。
韓国経済も不安?
IMFの警告は、基礎体力が弱まった韓国経済にとって、より大きな脅威として迫っている。
グローバルリスクは、韓国経済が抱える内部の脆弱性と結びつくと、その破壊力が増幅される可能性があるという指摘だ。
韓国の名目GDPに対する家計負債比率は、今年第2四半期時点で89.7%に達しており、世界でも上位水準にある。
金利が上昇すれば家計の利子負担を一層重くし、消費を萎縮させ、金融機関の不良化リスクを高める主要な導火線となる。
貯蓄銀行、証券会社、リース・信販会社など、国内の非銀行部門を中心に不動産PF(プロジェクトファイナンス)の不良化も深刻化している。
これはIMFが警告した「グローバルNBFIリスク(非銀行金融機関リスク)」の韓国版だ。
今年第2四半期時点で、不良化が懸念される事業所に関連する貸出および保証の規模は約20兆8,000億ウォンに達する。
一部業種のNPL(不良債権、固定以下与信)比率は20%を超えると推定されている。貯蓄銀行の不動産PF延滞率はすでに10%を突破した。
『IMF』が警告したグローバル信用逼迫が現実化すれば、国内外の資金調達環境も急激に悪化する可能性がある。
これは国内NBFIの流動性危機へとつながり、PF事業に対する資金回収を引き起こす恐れがある。そうなれば、PF不良の同時多発的な爆発へと発展し、金融システム全体を脅かす「パーフェクトストーム」シナリオに展開する可能性がある。
⇒参照・引用元:『韓国経済』「”이러다 시한폭탄 터질 수도”…IMF의 ‘섬뜩한 경고’(「このままでは時限爆弾が爆発するかもしれない」…IMFの“ぞっとする警告”)」
韓国の皆さんはなぜか「パーフェクト・ストーム」という表現が大好きですが、この段でもヤバくないのか?――と問うています。いささか先回りしすぎな感はありますが、韓国が金融面で脆弱なのは確かです。
だからこそ、『韓国銀行』の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が目を光らせているのです。
(吉田ハンチング@dcp)






