先にご紹介した「中国のレアアース規制」に対して、韓国にとっては大きな打撃となります。
「大丈夫なのか」――なのですが、韓国メディア『毎日経済』の記事から一部を以下に引きます。
わが国(韓国)の重要鉱物の対中輸入依存度は、アメリカや欧州連合(EU)など主要先進国に比べて2倍以上高い水準であることが分かった。
中国の重要資源輸出統制、いわゆる「資源の武器化」戦略が進む中、主要先進国は供給網の自給化を急いでいる。
一方で資源貧国である韓国としては、輸入先の多角化に加え、今後中国が追加的な輸出統制を行う可能性が高い蛍石やマグネシウムなどの鉱物を先手を打って備蓄強化すべきだという分析が出ている。
(中略)
鉱物資源をほとんど産出しない韓国は、「資源の武器化」に対して脆弱な状態にある。
韓国の重要鉱物の対中輸入依存度は2018年17.3%から2023年31.7%に上昇した。
昨年は24.2%に低下したが、依然として合衆国の約4.7倍、EUの約2.9倍の高水準だ。
韓国の先端産業を見てみると、中国サプライチェーンへの過度な依存に対する懸念が高まっている。昨年の韓国のリチウムイオン電池の対中輸入額は40億5,400万ドルで、全体の85.3%を占める。
バッテリー用加工金属の輸入額は22億1,000万ドル(全体の50.9%)、負極材・正極材の活物質は71.7%が中国からの輸入である。
※「active material」は電池業界では「活物質」と呼ばれますが、
これは「電極反応に直接関与する化学物質」のことを指します:引用者注半導体も同様の構図だ。
半導体製造用の加工金属の56.6%を中国から輸入している。主な品目は――、
白金族金属(3億5,000万ドル/中国依存度100%)
チタン(2億9,200万ドル/43.6%)
蛍石(1億4,100万ドル/74.1%)
シリコン(1億800万ドル/34.8%)
ガリウム・ゲルマニウム(9,100万ドル/51.2%)――などである。
※「白金族」はPGM(platinum group metalsの略)のこと。白金(プラチナ:Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)の6つの元素のこと。これらはこれらは触媒・電子部品・自動車の排ガス浄化装置などに使われます:引用者注
(後略)
合衆国トランプ大統領は、中国のレアアース規制に対して「100%関税だ」11月01日に発動――という表明しています。
合衆国がどうするかはともかく、韓国は主力産業が痛撃される話ですので、迅速なリカバリーが必要です。
(吉田ハンチング@dcp)






