2025年11月18日、中国メディア『新華社』が傑作な記事を出しています。
以下に同記事の冒頭部分を以下に引用します。
中共中央総書記・国家主席・中央軍事委員会主席の習近平はこのほど、全面的に法による国家統治(依法治国)に関する重要指示を発出し、次のように述べた。
中国共産党第18回全国代表大会以降、党中央は全面的な法による国家統治を「四つの全面的推進」の戦略構成に組み入れ、力強く推進してきた。
その結果、全面的な法による国家統治の全体的枠組みが基本的に形成され、中国の特色ある社会主義法治体制は絶えず整備され、中国の特色ある社会主義法治の道はますます広がっている。
習近平氏は強調した。
新たな征途においては、新時代の中国の特色ある社会主義法治思想を全面的に貫徹し、党の指導・人民による国家統治・法による統治の有機的統一を堅持し、より整備された中国の特色ある社会主義法治体制の構築、より高度な社会主義法治国家の建設に焦点を当てるべきである。
また、法治と改革・発展・安定との協調を一層重視し、社会の公平と正義の保障および促進をより重視し、科学的立法、厳格な執法、公正な司法、全民による法の遵守を全面的に推進し、国家のあらゆる業務の法治化を全面的に推し進めることで、中国式現代化による強国建設および民族復興の偉業を力強く法治の側面から支えていく必要があると述べた。
(後略)⇒参照・引用元:『新華社』「习近平对全面依法治国工作作出重要指示」
「四つの全面的推進(四个全面)」とは?
文中に出てくる「四つの全面的推進(四个全面)」というのは、中国共産党中央が提唱する国家統治の基本戦略の体系です。次の4項目を指しています。
全面的に小康社会(ゆとりのある社会)を建設する。
経済・社会全体の発展により、全国民が比較的豊かな生活を送れる社会を全面的に実現する。
2.全面深化改革
全面的に改革を深化する。
経済、政治、文化、社会、環境、軍事などの各分野における体制改革を全面的かつ根本的に進める。
3.全面依法治国
全面的に法による国家統治を進める。
法治国家、法治政府、法治社会を建設し、国家運営のすべてにおいて法の支配を徹底する。
4.全面从严治党
全面的に党の規律を厳格にする。
共産党内部の統制と規律を厳格に保ち、腐敗防止・清廉政治を徹底する。
ここにきて、なぜか習近平さんが「法治国家」であることを強化する――といいだしました。
もう何度だって言いますが、中国は法治国家ではありません。中国共産党が一党独裁を行い、中国共産党と習近平さんが法の上にいる国家です。こういうのを法治国家とはいいません。
また、「两个确立(二つの確立)」という言葉が登場するようになっています。
これは「習近平同志を党中央の核心として確立し、党中央の権威と集中統一指導を確立すること」で、具体的には以下の2点を指します。
1.習近平総書記の党中央の核心としての地位を確立する
2.習近平思想による党中央の集中統一指導の地位を確立する
要するに「オレ習近平を守れ」といってるわけで、これなど噴飯物の主張というほかありません。習近平さんというのは、21世紀になったというのに、いまだに皇帝でもやっているつもりなのです。
(吉田ハンチング@dcp)






