韓国大統領府の政策室長である金容範(キム·ヨンボム)が主導した「単一銘柄レバレッジETF」について補足しておきます。

このレバレッジEFTは、実際の株価の2倍の値動きをするように設計されており、『サムスン電子』、『SKハイニックス』それぞれ直物の値動きよりも大きく変動します。
株価が上昇しているトレンドであれば短期間で大きな利益を得ることが期待できます。
しかし下落トレンドになると、2倍の値動きでマイナスも大きく膨らむのです。この種の金融商品というのは、市場の「読み」によほど自信がなければ使えるものではありません。
筆者などは、柏ケミカルくんと違ってただの空売りですらドキドキして夜も眠れなくなるほどの小心者。とてもではないですが、このような倍々プッシュな商品を売買する勇気なありません。しかし天性の博打打ちである韓国の皆さんは、そんなことで怯んだりしません。

金容範(キム·ヨンボム)さんが主導した「単一銘柄レバレッジEFT」は、対象となったのは『サムスン電子』と『SKハイニックス』の二銘柄だけ。
要するにこの二銘柄の直物株価が下落したら、すべてのETFが2倍の値動きで下がるわけです。
金容範(キム·ヨンボム)さんが主導した「単一銘柄レバレッジEFT」は、そもそも
・海外に流出している投資需要を国内市場へ戻す
・ウォン売り・ドル買い需要を減らす
・韓国株市場を活性化する
(要するに株価を上げたい)
という政策目的を達成するために作られたと考えていいでしょう。こういうことを平気でやっているから、筆者などはKOSPIの上昇を「官製相場」というのです。
――では上記の政策目標は達成されたのでしょうか?
答えは「NO」です。少なくとも2026年07月11日時点では明確に「失敗だった」といえます。
事実を確認してみます。
外国人投資家の韓国売りは止まっていない!
まず一点目。「海外に流出している投資需要を国内市場へ戻す」ですが、外国人投資家についていえば、完全に失敗しています。
単一銘柄レバレッジETFが上場したのは「05月27日」です。
ところが、外国人投資家は2026年上半期にKOSPIで約148兆~150兆ウォンを売り越しました。
Money1でもご紹介したとおり、06月29日には1日だけで「約7兆7,560億ウォン」という過去最大の売り越しを記録。07月06日まで12営業日連続で売り越し、年初来の累計売越額は約158兆9,000億ウォンまで拡大しました。
しかも、外国人投資家の売却は、このETF商品が対象としたまさにその2銘柄へ集中しています。
『サムスン電子』:約75兆5,135億ウォンの売り越し
『SKハイニックス』:約60兆5,309億ウォンの売り越し
合計すると約136兆ウォンです。
つまり、『サムスン電子』と『SKハイニックス』の2倍レバレッジ商品を国内に作った後も、本体である現物株では、外国人投資家は両銘柄を猛烈な勢いで売り続けたわけです。
当然、このETFを購入した韓国時人は、2倍の値動きで下落を経験しているのです。――したがって外国人売りを止める、韓国市場への信認を高める、という観点では、結果は完全に逆です。
韓国個人投資家の海外投資も止まってなどいない!
では、韓国の個人投資家の資金は合衆国市場に出ていくのを止められたのでしょうか?
答えは、こちらも「NO」です。
繰り返しますが、単一銘柄レバレッジETFの発売は「05月27日」でした。
韓国個人投資家の合衆国株への投資(純投資額:買収額 – 売却額)は、
04月:約-4億7,000万ドル
05月:約-9億4,000万ドル
でした。つまり売り越しで、合衆国株式への資金投資よりも、資金を引き上げる方向出動いていました。
そして(単一銘柄レバレッジETF発売後の)06月には、個人投資家は再び合衆国株の買い越しに転じました。
韓国投資家は06月08~12日の1週間だけで合衆国株を約8億ドル買い越しました。
傑作なのは、合衆国市場上場の半導体3倍レバレッジETF「DIREXION DAILY SEMICONDUCTORS BULL 3X SHS ETF」を大量に買い越したことです。この期間、17億5,000万ドル(約2兆6,000億ウォン)分を買い越しています。
これは大変に皮肉な結果です。
海外の高レバレッジ商品へ向かう資金を国内へ戻すため、韓国内に2倍商品を作ったのにもかかわらず、韓国の個人投資家は合衆国市場の3倍レバレッジ商品を買ったわけです。
『韓国預託決済院』の証券情報ポータル「SEIBro」によると、韓国個人投資家の売買は、
総買収額:11億468万ドル
総売却額:8億7,101万ドル
純売買額:2億3,366万ドル
――の買い越しとなりました。
韓国個人投資家の海外投資を止めるという目的は達成されていません。その一方で国内市場において巨額の短期レバレッジ資金を集中させたわけです。
――で『サムスン電子』と『SKハイニックス』の株価が下がって、巨額の損失を抱え、一部は追証・反対売買(強制決済)の憂き目に遭っています。
韓国の株価が回復するといいですね。
(吉田ハンチング@dcp)





