Money1でも先記事ご紹介したとおり、韓国は中国産自動車の攻勢にさらされています。
『韓国自動車モビリティ産業協会』(略称「KAMA」)の統計によれば、2026年上半期の生産国別の輸入自動車の実績は以下のとおりです。
2026年上半期
中国:7万9,444台……41.2%
ドイツ:5万7,954台……30.1%
米国:2万3,979台……12.4%
日本:1万2,480台……6.5%
中国からの輸入自動車はドイツからの輸入台数を上回り、すでに輸入自動車の4割超えとなっています。2025年上半期と2026年上半期を比較すると以下のようになります。

中国産自動車の比率はほぼ2倍になっています。
ただし注意しなければならないのは、中国産の自動車であって、中国のドメスティックなブランドではないことです。実は、中国産の自動車の多くは『Tesla(テスラ)』のmodel Yが占めています。
例えば『KAMA』の2026年09月の輸入車登録台数を見ると以下のようになります。
テスラ……1万2,372台
BMW……6,066台
メルセデス・ベンツ……5,477台
BYD……2,614台
ボルボ……1,414台
上海のギガファクトリーで製造された『テスラ』が韓国に押し寄せているのです。
このままではマズイという見識が韓国メディア『朝鮮日報』が報じていますので、同記事から以下に一部を引きます。
(前略)
中国汽車工業協会によると、今年01~08月の中国国内の自動車販売台数は、前年同期比21.8%減少した。一方、輸出台数は66.7%増加し、715万3,000台に達した。中国の自動車メーカーは、自国市場での販売不振を海外市場で挽回しようと躍起になっている。
問題は、欧州で行き場を失った中国製ハイブリッド車が、どこに活路を見いだすのかという点だ。
『オサン大学』未来電気自動車学科のムン・ハクフン教授は、「欧州への輸出の道が狭まった中国企業が、規制の緩い韓国へハイブリッド車を大量に振り向ける可能性は決して小さくない」と述べた。
実際、欧州と中国での販売不振を韓国で挽回したテスラの事例は、こうした懸念が杞憂ではないことを示している。
昨年、『テスラ』の欧州販売台数は前年比26.9%減少した。
競争の激化に加え、最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスクの政治的行動に対する反感まで重なった。中国国内での販売台数も4.8%減少した。
『テスラ』は中国・上海工場で生産した「モデルY」を、従来より2,000万~3,000万ウォン安い価格で韓国に輸入した。
その結果、モデルYは今年01~09月の韓国自動車市場全体で、起亜の「ソレント」に次ぐ販売台数第2位となっている。
『テスラ』が欧州などに輸出していた上海工場の生産分の相当部分を韓国に振り向けているというのが、韓国国内業界の推定だ。
同じことがハイブリッド車市場でも再現される可能性があるというのが、業界の懸念だ。
その兆候はすでに現れている。
中国の『BYD』は06日、プラグインハイブリッドのスポーツ用多目的車(SUV)「シーライオン6 DM-i」の四輪駆動モデルを4,190万ウォンで発売した。
同程度の仕様の欧州販売価格は3万9,990ユーロ(約7,000万ウォン)で、韓国での販売価格は3,000万ウォン近く安い。
Zeekr(ジーカー)や小鵬汽車(シャオペン)などの中国ブランドだけでなく、中国の吉利汽車が大株主となっているボルボやポールスターも、中国の工場で生産した自動車の韓国国内での販売を増やしている。
(後略)
Money1でも先にご紹介しましたが、欧州は中国の電気自動車輸入を減少させるための手を打っており、最大45.3%の関税を課しています。
EUはハイブリッド車には基本関税の10%しか課してこなかったのですが、中国企業はこの隙を突き、欧州市場を急速に拡大してきました。
『欧州自動車工業会』(略称「ACEA」)によれば、プラグインハイブリッド車(PHEV)市場における中国ブランドのシェアは、2024年の2%から2026年上半期には25%へと急増しています。
――で、韓国の危機意識につながります。
電気自動車で現在行われていることが、PEHV車でも起こるのではないか――というわけです。合衆国、EUと行き場をなくした中国産の(過剰生産された)自動車が韓国には向かうのではないのか?です。
同記事の結びはこうなっています。
現代自動車・起亜が強みを持つハイブリッドSUVまで中国車の価格攻勢にさらされれば、電気自動車だけでなく、現在利益を生み出している主力車種も圧迫を受けざるを得ない。
業界の不安は高まっている。
(吉田ハンチング@dcp)





