中国がなんとか台湾より先にCPTPPに加盟しようと猛アピールしています。
『WTO』(World Trade Organizationの略:世界貿易機関)加盟時にした約束を全く果たさない&国際法を守ることもしない中国を加盟させるなど、まさに噴飯物です。
いったん加盟してしまえば、後はどうとでもなると考える国なので、中国を入れるなどとんでもありません。CPTPPは中国を排除した第二の『WTO』になれるかもしれない重要な取り組みです。
しかしながら、Money1でも先にご紹介したとおり、中国商務部が記者を招いて猫なで声を出すなど、気持ちの悪い宣伝活動を行っています。
今さらそんなものにだまされる国などありはしませんが(特に自由主義陣営国では)、それでも中国はCPTPP加盟をアピールしています。上掲記事でもご紹介したとおり、加盟11カ国の利益になるし、反対する国はないといった態度です。
「11の加盟国全てが中国のCPTPPへの加盟を支持することを期待しています」などと述べています。
今回ご紹介したいのは、すでに加盟国となっているオーストラリアの姿勢です。
オーストラリア産業界を代表する2つのグループ、『豪州ビジネス評議会』(Business Council of Australia:BCA)と『オーストラリア産業グループ』(Australian Industry Group:AIG)は、中国の加盟についてオープンに議論する旨は表明しています。
ただし、これが「歓迎」という意味かというと、そういうわけではありません。
『AIG』のCEOである Innes Willoxさんは、オーストラリア最大の貿易パートナーを CPTPP に参加させることは「歓迎される」と述べましたが、一方で、中国はCPTPPのルール、特にデジタル情報とデータの透明性を順守していることを示さなければならない――としました。
「現在の状況に関する限り、これが中国がCPTPPに参加するための最大の障害になる可能性がある」と述べています。
また、『BCA』のCEOであるJennifer Westacottさんは「中国は、協定の基準を満たすことができると加盟国に納得させる必要がある」と述べています。
中国には、お二人の言っていることをクリアすることがきません。
また、オーストラリア議会の外交防衛貿易委員会の全会一致の報告書では、すでに、オーストラリアに対する中国による強制的な貿易措置を終わらせるまで、中国の加盟を支持しないよう勧告しています。
また、報告書では台湾をCPTPP協定に含めることを支持しているのです。
つまり事実上、オーストラリアは中国の加盟にNOです。
ただし、産業界では中国が加盟して輸出が増加するかもと期待している向きもあり、注意が必要です。上掲のお二人の意見も、中国が「改善しますよ」といった姿勢を示しただけでOKしそうな危うさもあります。
ここで強調しておきたいのは、『WTO』のときのように「入ってから善処します」といった態度を加盟国全部で許さないことです。
そうすれば中国は決して加盟できません。法の上に中国共産党があるような国を決して認めてはなりません。また、そのような国に変化を期待しても全くの無駄です。
(吉田ハンチング@dcp)