新型コロナウイルス騒動で実体経済の悪化がどんどん明らかになっている韓国経済ですが、その最中、「韓国で老後破産」が増加して国が傾くのではないかという記事が『ソウル経済』に出ました。
以下に一部を引用します。
老朽破産(老後破産)。これは2014年09月、日本公営放送NHKが「高齢者の漂流社会-老朽破産の現実」という特別番組を製作した際に作られた造語である。
(中略)
今老後破産はもはやよその国の問題ではない。景気低迷と低成長基調の中、全世界で高齢化が最も急速に進行しているのが韓国の現実だ。
特に、これまで韓国経済成長の主役であったベビーブーマーの多くは、準備なしに引退して、本格的に60歳以上の高齢者に編入される。そのため老後破産による衝撃はさらに大きくなるという分析がある。
(中略)
老後破産は、最終的に社会問題であり、経済の問題に帰結する。
国民年金・健康保険財政枯渇による世代葛藤に加え、特に国家経済に致命的な影響を与えるものと予想される。最大の問題は、国破産への懸念だ。
高齢者を扶養するために、政府の財政を従来よりも包括的に使用するしかなく、これは財政赤字を生じさせることになる。
(後略)
⇒『ソウル経済』「【探査S】老後破産はもう他国の話じゃない…国破産懸念も」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
NHKが作った造語が韓国でも意識されているというのも面白いですが、韓国ではどうも「老朽破産」というようです。ベビーブーマーがリタイアし、韓国でも老後破産について懸念されるようになっているわけです。
読者の皆さんもご存じかもしれませんが、韓国は急速に老いていっている国です。
その速度は「超高齢社会」(「65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占めている社会」のこと)といわれる日本より速いのです。
しかも、韓国では老齢年金がアテにはなりません。韓国の老後年金給付は一般的に非常に少なく、それだけでは退職した後の生活が成り立たないのです。
そのため、蓄えが少ないとすぐに使い果たしてしまい生活に困窮してしまうというわけです。これが韓国社会における「老朽破産」です。
(前略)
韓国の老朽破産は日本よりも危険というのが専門家たちの共通した意見である。日本は貯蓄率が高いため、高齢者が比較的丈夫である。
国内総生産(GDP)比で純金融資産の割合が、日本では210%であるのに対し、我々は90%未満と推定される。
わが国の場合、最終的に国の負担が大きくなるしかない構造だ。今は国家債務比率40%台前半での相対的な財政健全性が高いが、伸び率は最も速度が速い。
(後略)
と、同記事では韓国人の持つ保有資産にも言及して、その危うさを指摘しています
この「老後に対する不安」がこの新型コロナウイルス騒動の最中、韓国の人を株式投資に駆り立てる原因の一つと考えられます。
上掲の記事で、「東学アリ」と呼ばれる群衆がこれまで考えられなかった金額を株式市場に投下している、という件をご紹介しましたが、これはまさに老後のためでもあるのです。
韓国の老齢年金がいかに少ないかという話は別記事にいたしますので、本記事と併せてお読み頂ければ幸いです。
(柏ケミカル@dcp)