ドルが足りないため、韓国はアメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と「スワップライン」(ドル流動性スワップ)※(これを韓国では「通貨スワップ」時に「通貨スワップ協定」と呼んでいます)を結び、ドルの供給を受けることになりました。
2020年04月14日、このFEDから供給されるドルを市中銀行に流すための「第3次入札」が実施されました。要は一番高い利率を付けた銀行にドルを供給しますよ、というオークションなわけですが、韓国銀行からの上限40億ドル供給に対して、落札は、
・6日満期(6日後に利子を付けて返済しなければならない):1,000万ドル
・83日満期(同上で83日後に利子を付けて返済):20億1,500万ドル
という結果でした。計20億2,500万ドルが供給されたわけです。
ドル流動性スワップの利用状況はFEDが毎週公表しており、滞納したりするとすぐ分かるようになっています。
この第3次入札の結果をFED公表のデータで確認してみましょう。以下のようになります。
まず、「U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results」(ドル流動性スワップ-運用結果)ですが、確かに04月17日に決済された、
6日満期:1,000万ドル 年利0.3300%
83日満期:20億1,500万ドル 年利0.3567%
がシートに計上されています。
「U.S. Dollar Liquidity Swap-Amounts Outstanding」(ドル流動性スワップ-未払い金額)の方は、04月16日までのトランザクションしか入っていませんので、17日の新規決済分、また第2次オークションの際に短期(8日満期)で落札された「2億7,500万ドル」の返済が計上されていません。
ですので、ドル流動性スワップを利用した「未返済金額」は先週と変わらず「123億3,500万ドル」のままです。
ネット上では、韓国銀行がすでにドル流動性スワップラインを「200億ドル」利用した、といった言説が見られますが、それは過大で、利用したのは04月17日時点で「151億6,000万ドル」というのが本当のところです。
※韓国メディアは「通貨スワップ」あるいは「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
(柏ケミカル@dcp)