韓国の金融政策がドタバタしております。
尋常ではないインフレに襲われているため、コロナ禍でじゃぶじゃぶにしたお金を吸収しないといけません。モノの価値が上がっているので、お金の量を減らしてお金の価値を上げないといけないからです。
『韓国銀行』の方は通貨安定証券を発行してお金の吸収に勤しんでいるのですが、問題は政府の方です。
Money1で何度もご紹介しているとおり、韓国政府は追加予算を組んでお金をまこうとしています。『韓国銀行』からすれば「ナニやってんだ。こっちは借金までしてお金を吸収してんのに!」※という話です。
※通貨安定証券は利払いをしなければならない『韓国銀行』の借金。そもそもなぜ中央銀行が債券を発行しなければならないのかという不思議な存在です。
しかし、大統領選挙対策もあって「お金をまけ」と与野党問わず政府に圧力をかけています。
インフレに対抗しなければならないのを喫緊の課題とするなら、政府がお金をまくのは「必要とされる政策」とは真逆の行為です。
そうこうしている間にも韓国のお金じゃぶじゃぶは進行しています。2022年02月17日に『韓国銀行』が公表した「通貨流動性」のデータが以下です。
⇒参照・引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年12月の通貨と流動性」
市中にあるお金の量を示すM2はついに「3,600兆ウォン」を突破しました。
2021年の月次のM2の増加金額をグラフにすると以下のようになります。
⇒データ引用元:『韓国銀行』公式サイト「2021年12月の通貨と流動性」
※『韓国銀行』のデータを基にMoney1編集部作成
お金の増加速度はさすがに鈍っていますが、それでも「約3,613兆ウォン」というのはじゃぶじゃぶ過ぎです。コロナ前の2019年末には「約2,810兆ウォン」だったのです。
インフレを止めるためには相当量の流動性を回収しないといけないでしょう。しかし、やり過ぎることもできません。『韓国銀行』と政府はドタバタです。
『韓国銀行』の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁と洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官は「オレたちは何をやっているんだろうなぁ」と遠い目をしているかもしれまません。
※M2=現金通貨+預金通貨+準通貨+CD(預金通貨、準通貨、CDの発行者は、国内銀行等<マネーサプライ統計のM2+CD対象預金取扱機関と一致>)
⇒参照・引用元:『日本銀行』「マネーストック統計のFAQ」
https://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/faqms.htm/
(吉田ハンチング@dcp)