また、あの『斗山重工業』の話で恐縮なのですが、韓国メディアから「『斗山重工業』がひと息ついた」という報道が出ていますのでスルーはできません。また、とてもそれで助かるとは思えない面白い状況ですのでお付き合いください。
かねてからお伝えしているとおり、東芝から盗まれたハードディスクが渡ったとされる(確証は取れていません)『斗山重工業』が資金難に陥っています。
特に焦眉の急は04月27日に償還しなければならない外貨建て「5億ドル」(「1ドル=1,200ウォン」で計算しても6,000億ウォン!)の債券で、そんなお金があるわけはなく、国策銀行に支援を求めていました。
これを輸出入銀行がウォン建てのローンにすることを承諾したのです。
つまり、04月27日のドル建て償還は輸出入銀行が引き受け(金額は「5,868億ウォン」)、これをローンにしてウォン建てで『斗山重工業』が後で返済する、と。
非常に温情的な処置ですが、『斗山重工業』は「原子力発電所」「石炭火力発電所」を主力事業とするインフラ屋ですから、さすがにトばすわけにもいかないというところでしょう。
ただし、ローンの返済期限は「1年」です。
銀行としては「助けてやるけど絶対1年以内に返せよ!」といったところでしょう。
そもそも『斗山重工業』は、新型コロナウイルス騒動の前から文在寅大統領の「脱原発政策」のために売上が吹き飛び、会社の経営が傾いていました。たとえ新型コロナウイルス騒動が沈静化したとしても、文政権の間は経営が上向くことはないのではないでしょうか。
また、2020年04月21日『韓国経済』の記事から引きますと、
(前略)
しかし、債権団は、この程度の「緊急輸血」では正常化が難しいと懸念している。『斗山重工業』が年末までに必要な資金は2兆ウォン以上と見ている。
(後略)
⇒参照・引用元:『韓国経済』「斗山重、緊急の火は消したが…系列会社の売却・支配構造改編」の山また山」
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
となっています。まだ2兆ウォン以上突っ込まないといけない可能性があるわけです。
『斗山重工業』を巡るドタバタはまだまだ続きそうです。
(柏ケミカル@dcp)