2020年08月17日、韓国メディア『毎日経済』にちょっと見逃せない記事が出ました。「KOSPI(韓国総合株価指数)の上昇もこの辺りまで」と踏んだ投資家がインバースファンドにお金を突っ込みだしている、というのです。
インバースは「下落するときに儲かる金融商品」。2倍、3倍もあるよ!
株式の取引をされない方はご存じないでしょう。「インバース」というのは簡単にいうと「逆行する」という意味です。つまり、株価(インデックスなど)が下落するときにもうかるように設計された金融商品です。
例えば、KOSPIインバースであれば、インデックスであるKOSPIに連動してマイナスの動きをします。KOSPIが上昇すれば損をし、KOSPIが下落すればもうかるようになっています。
さらに、この連動具合を調節してレバレッジを効かせた商品もあります。ダブルインバースなら2倍、トリプルインバースなら3倍というわけです。連動しているインデックスが下落するときには利益も莫大なものになりますが、思惑が外れて上昇したりした日には阿鼻叫喚の地獄絵図となります。
「誰が買うんだそんなもの」と思われるかもしれませんが、世の中には勝負師というのがいるもので、そのための商品を準備する者もいるわけです。
で、韓国株式市場ですが現在は以下のような状況で、確かに「上昇もそろそろこの辺りまでじゃないか」と思うのも分からないではないでしょう(チャートは『Investing.com』より引用)。
『毎日経済』の記事から一部を引用します。
KOSPI指数が連日上昇し、上値を更新している中、証券市場の下落に賭ける個人投資家のインバース投資が止まらない。
11日、FnGuideによると、前日の10日だけでインバースファンドに1,676億ウォンの資金が流入した。この日KOSPIが「2,386.38」で取引を終えて「2,400」に迫ると、指数の下落転換に賭ける投資家が集まったと考えられる。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
さらに、
株式市場が高騰し、インバース投資家の損失も大きくなっているがインバースファンドへの資金流入は続いている。
というわけで、現在は10日よりもさらに上昇した状態なわけですが、下落に懸けた投資家はしぶとく頑張っているようです。
さて、この粘りは報われるでしょうか。
(柏ケミカル@dcp)