韓国経済の浮揚と雇用の促進を目指し、文在寅大統領がぶち上げた「韓国版ニューディール」。
その資金を集めるのに作るとしているのが「韓国版ニューディールファンド」なのですが、韓国メディアからは「今までの官製ファンドと同じ末路になるんじゃないのか」という報道が出ています。
「なんとかファンド」を作っては風化、の繰り返し
何度だっていいますが、韓国というのは何かというと「○○○ファンド(基金)」を作りたがるヘンな国で、文在寅大統領になってからそうなったわけではないのです。
かつての政権でも「○○○ファンド」をぶち上げては時と共に忘れられてしまう、を繰り返しているのです。
例えば、李明博(イ・ミョンバク)大統領の時代には「緑成長ファンド」、朴槿恵(パク・クネ)大統領の時代には「統一ファンド」というのがありました(一応今もあります)。「緑成長ファンド」は環境保全ブーム、「統一ファンド」は折からの南北朝鮮雪解けの雰囲気醸成にのって作られたもの。
ですが、政府がハデに打ち出したまではいいのですが、政権末期になるとその熱もどこへやらで、その上収益率も良くない、と。
今回の「韓国版ニューディール」も同じなのでは?というわけです。
韓国メディアからの懸念に対して、韓国政府は「これまでとは違う」と強弁しています。この件を報じた『ソウル経済』の記事から一部を引用します。
(前略)
金融委員会は5日、「ニューディール基金関連7問7答」資料を配布した。金融委は「過去の緑ファンド、統一ファンドには事業実体が相対的に不足した」とし「韓国版ニューディールには差別化された強みがある」と強調した。
●デジタル・グリーンは、世界的に脚光を浴びている新産業分野である点
●関連予算がすでに選定され、ビジネス具体性が相当レベルある点
●財政が劣後リスクを負うこと
●ポリシーファンドの運用経験が蓄積された点
などをニューディール基金だけの強みに挙げた。
金融委は「今回の政府の任期が満了になってもニューディール分野の重要性と成長性は持続する見通し」とニューディールファンドの投資が政府の任期と関係なく、相当期間続くものと予想した。
(後略)⇒参照・引用元:『ソウル経済』「緑ファンド・統一ファンドがニューディール基金運命?金融上『過去と違う』」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
と韓国政府も釈明をしています。政府が劣後出資するという点では確かに差別化されているとはいえます(笑)。投資家の損を政府が被ろうというわけですから。政府が損失を被るということは、国民が被ると同義なのですが、そこは都合よくスルーしています。
次の政権になっても風化していなければいいですね。
(柏ケミカル@dcp)