先の「台風9号」「台風10号」によって韓国の原子力発電所で6基が停止した件はご紹介しました。
実は2020年09月07日に、この停止とは別に「韓蔚原子力発電所」の「韓蔚1号機」「韓蔚2号機」で事故があったのです。
「韓蔚1号機」「韓蔚2号機」で事故!
韓蔚原発がこの事故について公表したリリースが以下になります。
韓国水力原子力(株)韓蔚原子力本部(本部長イ・ジョンホ)は「09月07日、17時39分に韓蔚原発1、2号機共用設備の液体廃棄物蒸発器で異常が発生して、放射能検出器が動作した」と明らかにした。
一方、韓蔚原子力本部はすぐに液体廃棄物蒸発器の運転を停止し、補助蒸気凝縮貯蔵タンクを隔離して汚染を遮断した。
汚染水は全量独立液体廃棄物閉回路系統に収集されており、採取試料の分析結果は警報基準以下と確認されており、環境への放射能の影響はない。
現在韓蔚原発2号機は正常稼働中、1号機は計画予防整備中である。韓蔚原子力本部は関連整備を行う方針である。
※液体廃棄物の蒸留器:放射性液体廃棄物を補助蒸気で過熱して濃縮廃液とコンデンセートに分離する設備
⇒参照・引用元:『韓国水力原子力発電』「韓蔚原発1 発電所の液体排気系異常に警報発生」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
現在の韓国の原発のリアルタイムステータスは以下です。
↑ブラウザーが「クロ-ム」で日本語訳が出ています。適当な片仮名になっていますが「ハンウル」は「韓蔚」、「セウル」は「新古里」、リングは「古里」、ハンビットは「霊光」です
なるほど韓蔚の1号機は整備中で2号機は運転中です。
2011年から9年たっても補修作業を完了していない杜撰(ずさん)
上記の事故にプラス台風で止まった6基ですから、さすがに韓国内からも「大丈夫なのか」の声が上がっており、韓国メディア『ハンギョレ』が本件について記事を書いています。
同記事から注目ポイントを引用します。
2011年、日本の福島原発事故直後、政府は、地震や津波などの極限的な自然災害に対する原発の脆弱性を点検し、韓水原の全46の補完対策を2015年までに段階的に行うようにした。
しかし、このうち
△防水扉と防水型排水ポンプ設置
△格納庫排気または減圧設備設置
△主蒸気安全弁室や緊急時の給水ポンプ室の浸水防止施設補完などの3つの課題は、まだ完了していない。
韓水原の関係者は、「3つの課題は、技術要件が強化されるなどの条件の変化のために完了が遅れている」と述べた。
⇒参照・引用元:『ハンギョレ』「台風に飛んできた塩気も「お手上げ」の原子力発電…安全性の懸念高まり」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※韓水原は『韓国水力原子力発電』の略です
2011年から9年もたっているのに、まだ補修作業が完了せず課題が3つ残っているというのです。
これは邪推かもしれませんが、本当に残っているのは「3つだけ」でしょうか?
斜め上の、本当に日本に近いところにある原発ですから、これを機に徹底的に調査してもらいたいですね。
(吉田ハンチング@dcp)