アメリカ合衆国が「中国に半導体を渡さない」戦術を展開している中、『大紀元時報』に興味深い記事が出ました。中国のメモリー半導体製造企業『長江存儲科技有限責任公司』(長江メモリー・テクロノロジー:Yangtze Memory Technology:略称YMTC)の副社長が「合衆国と日本の機器に80%依存している」と発言したというのです。
同記事から一部を引用します。
(前略)
最近、『YMTC』と『SMIC』が合衆国製装置への依存度を下げる計画を立てている、と報告されている。『YMTC』は70%を国産装置で生産することを目標とし、『SMIC』は今年末までに米国製装置を使わずに40ナノメートル、3年後には28ナノメートルの半導体を生産することを目標としている。
9月10日、『YMTC』は上記の情報を否定した。
同社のサプライチェーン管理担当副社長である鄭久利氏は、『YMTC』の製造設備の80%は米国と日本から供給されていると述べました。一部の本土のサプライヤーはエッチング、洗浄、コーティングを行うことができますが、国内の半導体製造設備は十分ではありません。輸入された製品で置き換えています。
鄭久利氏はまた、イノベーションと研究開発への長期的な投資が合衆国と日本のメーカーに技術的優位性をもたらしたため、彼らの製品が現在主流であり、交換が困難であると述べました。
(後略)⇒参照・引用元:『大紀元時報』「中国最大のメモリチップ工場の幹部:機器の80%は米国と日本に依存しています」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
というわけで、代替がきかないため合衆国と日本の製造装置に制限がかけられると大変に厳しい状況になると予想されます。
また同記事では、
40ナノ、20ナノ技術で半導体を製造できる中国製の装置はない
40ナノ技術で作られた半導体はスマートフォン、コンピューター、サーバーでは使用できない
と指摘しています。
ですので、合衆国が取っている「中国に半導体を渡さない」という戦術は、中国を苦しめるためには大変に正しいことになります。
(吉田ハンチング@dcp)