中国の人口計画は「都合のいい数字」で立案されている。『中国人民銀行』自らが指摘

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中国の総人口はどのくらいなのか、本当に人口が減少に転じたのか、世界が注目しています。

2020年に行われた国勢調査の結果は2021年02-04月に公表される予定だったのですが、いまだ行われていません。

中国共産党にとって都合の悪い結果になったので、もう公表されないのではないか、という予測が台湾メディアに出ています。たとえ公表されても正しい数字ではないだろう、とも。

「合計特殊出生率」を1.8としていると指摘

中国の人口問題について『中国人民銀行』が面白い論文を出しています(2021年03月16日付け文書)。

关于我国人口转型的认识和应对之策
人口動態の変化についての認識と対応

というタイトルで、

・中国の人口動態は急速に変化している
・高齢化が進行、少子化も深刻
・教育や科学技術の進歩は人口減少を補うことはできない
・包括的なアプローチを採用し、長期的な努力を行うべき

などの内容です。

この論文の注釈に興味深い一文があるのです。以下をご覧ください。

39 一些研究利用人口普查数据进行估计,得到的总和生育率一般不超过1.5(张广宇和原新,2004;郭志刚,2012);一些研究利用教育、公安数据等其他系统收集统计的数据,推算估计得到的总和生育率在1.6-1.7 之间(李丁和郭志刚,2014;陈卫和杨胜慧,2014;陈卫和张玲玲,2015)。然而,近年来我国制定的人口规划都将总和生育率设定为1.8 进行预测,显然在实践层面,我国对生育率的高估是几乎是事实。

国勢調査のデータを用いて合計特殊出生率を推定した研究もあるが、一般的には1.5を超えることはない。教育データや公共保障データなど、他のシステムから収集したデータを用いて、合計特殊出生率を1.6-1.7の範囲で推定した研究もある。

しかし、近年の中国で策定された人口計画では、いずれも合計特殊出生率を1.8に設定して予測しており、実務レベルでは中国の出生率の過大評価がほぼ事実となっていることが分かる

合計特殊出生率とは「女性一人が15歳から49歳までに出産する子供の数の平均」で、この数字が「2.1」ぐらいないと人口は増加しないといわれます。

上掲の注釈文によれば、中国の研究では合計特殊出生率は「1.5」を超えず、あったとしても「1.6-1.7」。それなのに、中国の人口計画は「1.8」に設定して策定されており、つまり明らかに事実と異なる数字が用いられている、と指摘しています。

『中国人民銀行』の論文ですから、これが本当なのでしょう。

中国の総人口が何人になったのか――当局の発表は行われるでしょうか。

(吉田ハンチング@dcp)

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